17日間の激戦が2分で終了?大河ドラマ「西郷どん」の迷走
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二本木にある西南戦争の解説(「西郷どん」より詳しい) 16日に最終回を迎えたNHK大河ドラマ「西郷どん」。幕末・明治維新の歴史が好きな筆者は、第1回から録画し、すべて視聴した。西南戦争で薩軍が熊本城を攻める際、本営を構えた「二本木」に実家があることもあり、とくに西南戦争がどのように描かれるかについては楽しみにしていた。
「二本木」には、熊本城攻めの間、西郷隆盛が温泉に入っていたというちょっとしたエピソードも残っている。さらに帰省した際には最大の激戦地「田原坂」を訪れ、一連の戦闘の流れを復習し、放映に備えていた。
嫌な予感はしていた。「西郷どん」のストーリーの進み具合からして、西南戦争に費やす時間が少ないことが予想されたからだ。1990年、司馬遼太郎の小説「翔ぶが如く」を原作に西田敏行主演(西郷隆盛役)で大河ドラマ化した際には3~4回に分けて西南戦争を描いた。そのペースと比較すると、「西郷どん」では、相当端折られるのではないかと危惧していたのである。
しかし、筆者の予想をはるかに下回る内容だった。体感だが、2分と少しくらいで西南戦争17日間の激戦「田原坂の戦い」が終わってしまった。その後の人吉、宮崎への転戦も、戦闘シーンはほとんどなかった。前回、西郷役の西田(ナレーション)が西郷隆盛の子・菊次郎役で登場したあたり、明治編に力を入れているように感じられ、期待をもっていたが、肩透かしにあった。
主演の鈴木亮平を始め、各キャストの好演があり、ドラマとしては見応えがあった。しかしながら、歴史上の人物を題材にする以上、それがフィクションであることを明確にしなければ、史実とは異なる情報が後世に伝わる恐れがある。「西郷どん」の問題点とは、歴史上の人物を取り扱い、あたかもそれが事実かのごとく視聴者に思わせる構成にある。
「雨は降る降る 人馬は濡れる 越すに越されぬ田原坂」(この詩の解釈が語られることもなかった)。端折られた日本最後の内戦。激戦で散った1万3,000人余の英霊が泣いている。
【山下 康太】
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