【読者投稿&記者解説】北九州空港へのアクセス論と、福岡市~苅田町ルート
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NetIB-NEWSでは、読者のご意見を積極的に紹介し、議論の場を提供していきたい。
今回は、「【提言】福岡空港と北九州空港の連携以外に方策はない」についての読者のご意見を紹介する。ご意見
西九州新幹線の距離あたり建設費を参考にすると、福岡空港滑走路増設の事業費(1,643億円)と同等額で、小倉-北九州空港の新幹線整備ができたのではないかとさえ思う。既存の博多駅-小倉駅の新幹線経路が約15分ということを踏まえると、小倉-北九州空港に新幹線を整備すれば、福岡空港-博多駅-小倉駅-北九州空港が30~40分程度で結ぶことができるのではないか?
記者解説
本件について北九州市はこれまで複数回にわたり、北九州空港へのアクセス向上を目的とした鉄道整備について検討を重ねてきた。だがこれまでの議論では、採算性や需要予測の問題から具体化には至っていないのが現状だ。
しかし、今後、福岡空港が位置する福岡市と、北九州空港が位置する苅田町は別ルートでも結びつきを強めていくことになると思われる。そこで北九州市における空港アクセス論についての過去の議論を改めて整理しておこう。
過去の3案と採算性の壁
北九州市は空港が2006年に開港する前の段階で空港アクセス鉄道整備検討委員会を設置し、以下の3案を導出した。
小倉駅から新門司を経由する在来線新門司ルート
小倉駅から空港まで直結する高規格新門司ルート(新幹線タイプ)
日豊本線の下曽根駅から分岐する在来線下曽根ルートその後、09年まで国と福岡県を交えて行った検討では、最も採算性の高い在来線新門司ルートでさえ、年間450万人の航空旅客数が必要との結論に達した。市が独自に利用者数を押し上げる施策を講じた結果、必要旅客数は300万人まで低減されたが、当時の実績(120万人前後)からは大きく乖離しており、検討は中止された経緯がある。
ちなみに北九州空港の過去最高の乗降客数は18年度の179万人だった。
新駅設置案と空港口ルート
20~21年には、(公財)アジア成長研究所とJR九州、市の三者による勉強会が開催され、日豊本線の朽網~苅田間に新駅「空港口駅」を設置し、空港までバスで連絡する新たな案が浮上した。この空港口ルートは工費10~15億円と、従来の案よりはるかに低コストで実現可能とされ、27年までに300万人の旅客数達成も視野に入るとした。
高規格ルート vs 空港口ルート
比較された所要時間と費用は次の通り:
ルート 小倉~空港 所要時間 総工費
在来線新門司ルート 12分 680億円
高規格新門司ルート 7分 1,616億円
空港口ルート 20分 10~15億円空港口ルートは費用対効果に優れ、特急列車の停車も可能で、空港周辺の再開発や福岡空港から溢れる旅客の受け皿としての可能性も指摘された。
仙台空港アクセス鉄道からの教訓
北九州市議会は宮城県の仙台空港アクセス鉄道(仙台空港線)を視察している。その結果、利用者増加とまちづくり効果は確認された一方、開業当初は採算性に課題があり、上下分離方式や自治体支援が不可欠だった点を重く受け止めている。仙台空港は年間約400万人の利用があるにもかかわらず、鉄道事業は黒字ギリギリの運営であり、北九州空港での導入の難しさを確認している。
北九州市も注目しているのは、やはり手狭な福岡空港で受け入れきれない航空需要をいかにして北九州空港が引き受けることができるかどうかという点である。滑走路が3,000mになった場合の欧米路線の就航可能性なども議論されている。
今注目のルート:福岡市~苅田町
別記事、「福岡市~苅田町を結ぶ国道201号、変貌の時 北部九州の東西大動脈へ」でも解説したように、現在、福岡空港がある福岡市と、北九州空港がある苅田町は、国道ルートでアクセスを強化する方向に政策が動いている。
両空港の連携論も含めて、今後の北部九州東西ルートをめぐる各方面の動きに注目である。
【寺村朋輝】
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