2024年11月30日( 土 )

電磁波に関する誤解と真実(後)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 強い電磁波は人体への悪影響が懸念され、電磁波防護基準が設けられている。この基準を満たしている電気製品は安心して使っても良いだろう。

 電磁波を評価する単位としてはSAR(比吸収率)があり、韓国の基準は1.6W/kgである。この基準は人体の温度が0.02度上昇することを上限にするという意味である。携帯電話や基地局で発生される電磁波は、RF帯域の電磁波である。RF帯域の電磁波は、人体に蓄積されたり、生体メカニズムに変化を与えたりすることはないようだ。

 韓国で基地局の電磁波も測定してみたら、電磁波は基準値の10分の1にすぎないという結果が出た。電磁波は距離が離れれば離れるほど、強さが急激に減少するので、気になったら電気製品から離れれば電磁波をそれほど気にしなくてもよいようだ。

 このように今までの研究では、電磁波が人体に悪い影響を与えるという確固たる科学的な証拠は出ていない。しかし、電磁波のことを心配しすぎて、電磁波ノイローゼになっている人のケースが多数報告されている。いわゆる電磁波過敏症のことだ。また、電磁波を減らすため、電磁波を吸収してくれるという植物を家庭に置いたり、電磁波が遮断されたりする製品も市販されていて、使っている方もいるようだ。しかし、効果の程はまだ立証されていないという。

 最後に、電磁波関連のある製品をご紹介しよう。電気の流れるところでは電磁波が発生している。ところが、電磁波同士に干渉が発生し、その干渉が大きくなればなるほど、電流の効率が悪くなるとのことだ。このような現象を突き止め、電磁波を吸収させることによって、電磁波の干渉現象を少なくし、電気のロスを減らす効果のある製品を開発した企業がある。愛知県にある(株)キセキ(関慎也社長)である。

 関社長によると、電磁波を遮断するために、テレビ、パソコンなどに電磁波を遮断するシールを貼ったところ、不思議なことに、その後電気料金の請求金額が少なくなっていることに気づき、電気料金と電磁波に相関関係があるのではないかと思うようになったという。

 電磁波と電気料金の相関関係についての研究を重ねた結果、誕生した製品が「デンガード」という製品である。「デンガード」は軟磁性体が使われており、電磁波を吸収して、電磁波を熱エネルギーに変えてくれるという。
ブレーカーや配電盤にデンガードを貼ると、電磁波を吸収し、電磁波の干渉がすくなくなり、電流の流れが安定する。その結果、電気ロスが減るというメカニズムのようだ。この製品の使い方はブレーカーなどに貼るだけなので、とても簡単である。製品は半永久的に使用可能で、日本国内だけでも数万個の販売実績があり、普段の電気料金の5%~20%削減される効果があるという。

 月の電気料金が10~300万円くらいの工場などは、同製品による節電効果が大きいという。電力不足の深刻な東南アジアなどでは、このような製品に対するニーズは高い。一年中エアコンなどを使っているため、同製品の使用は大きな電気料金の節約につながることになるだろう。「『デンガ―ド』が市販されてから3年くらいだが、今年は飛躍の年になりそうだ」と、関社長は製品への自信をのぞかせている。

(了)

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