新生SECCON~国際大会で第1位-第3位を日本勢が独占!(後)
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「プログラム・コミッティ」で、外部からも参画・支援
――今大会のカンファレンス(秋葉原コンベンションホール)とワークショップ(AKIBA SQUARE)はとても充実していました。
花田 従来はSECCONN実行委員だけで、カンファレンスやワークショップなどを企画していました。しかし、今回から「プログラム・コミッティ」というかたちで、外部のタレント陣、識者にプログラムの提供を含めて、参画・支援いただくことになりました。
人気のある登壇者で、開場するとすぐ満席(200席)に
カンファレンスは大きく分けて2つに分かれます。1つは「技術に注力したもの」、もう1つは、「広く社会性をもつ」ものです。
技術に注力したものとしては、「ssmjpは何しにSECCONへ?」(22日午後3時~午後5時)、「Tsurugi LinuxでCTF入門」(23日午後2時15分~午後3時15分)などがありました。いずれもよく知られた人気のある登壇者たちで、開場するとすぐ満席(200席)になりました。
広く社会性をもつものとしては、「脅威インテリジェンスから垣間みる海外の諸事情と僕らの未来」(22日午前10時30分~午前11時20分)、「行列のできるSECCON模擬法廷」(22日午後1時~午後2時30分)などがありました。
また、趣向を凝らしたものとしては、「君の物語(ストーリー)で世界(ネット)を救え!『サイバーセキュリティ小説コンテスト』最終結果発表」(23日午後1時~午後1時50分)などが挙げられます。サイバーセキュリティ小説コンテストには、合計284作品の応募があり、二次選考で6作品を選出、うち4作品に大賞・MS賞・サイボウズ賞・日立システムズ賞が与えられました。大賞作品『目つきの悪い女が眼鏡をかけたら美少女だった件』(作者noisy)は「角川スニーカー文庫」での書籍化が予定されています。
親子で参加できる、プログラムやものづくりをする企画
――続いてワークショップの方はいかがですか。「ハンダ付けワークショップ」の会場では、竹迫前実行委員長をはじ実行委員の方も複数、参加者に混じって挑戦されていました。
花田 先に申し上げましたように、今回は親子で参加できる企画、プログラムやものづくりをする企画など、より多くの方にSECCONを楽しんでもらえるるものを用意しました。
親子で楽しんでいただける企画としては、「ITかるたを作ってみよう」(22日午後3時~午後4時30分)、「初心者向けプログラミングワークショップ」(23日午後3時~午後4時30分)があり、どちらもご参加いただいた方はもちろんのこと、親御さんにも喜んでもらえました。SECCONならではの企画である「SECCON2017 国際大会決勝戦問題 BrainHackで遊んでみよう」(22日午後1時~午後2時30分)は実際に問題に挑戦して、解説を聞くもので、とても人気がありました。
また、お話に出ました、「ハンダ付けワークショップ」(2日間で4回実施、1回1時間)もすごい人気でした。SECCONの実行委員になるような方は、小さい頃から、ものづくりに興味があり、コンピューターなどを分解した経験をお持ちの方も多いと思います。私は昨年複数の海外CTFイベントに参加しましたが、ドイツの「CCC」というカンファレンスでは「親子で楽しむハンダ付けコーナー」がありました。
勉強材料も十分にあり、腕試しは毎週でも可能
――最後に「SECCON CTF 2019」を目指す読者にエールをいただけますか。また、CTFに参戦しなくても、高度な「情報セキュリティ技術者」を目指す読者に学習のアドバイスをお願いします。
花田 まず、「SECCON CTF 2019」 にチャレンジを考えている皆さまに申し上げます。SECCON CTF開始当時と比べれば、現在、各段に勉強材料が揃っています。CTF対策用として、2冊の書籍『セキュリティコンテスト チャレンジブック』(マイナビ出版)と『セキュリティコンテストのためのCTF問題集』(マイナビ出版)があります。このほかに情報セキュリティに関する書籍も増えました。また、インターネット上では、CTF参加者が自分のブログなどのウェブ上で、問題の解説やコメントを行っています。その気になれば、いつでも勉強できる環境は十分に整っているといえます。またSECCONでは、「SECCON Beginners」「CTF for GIRLS」などのイベントを定期的に開催しています。
腕試しをする機会も整っています。現在では365日毎週、世界のどこかでCTF大会が行われています。ぜひ、積極果敢にチャレンジいただきたいと思います。読者の皆さまと今年の決勝戦の会場でお会いできますことを楽しみにしております。
情報セキュリティイベントに参加、仲間をつくって交流
次に、CTFを離れて、高度な「情報セキュリティ技術者」を目指す読者の皆さまにアドバイス申し上げます。私は現在、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の主任研究技術員として、ナショナルサイバートレーニングセンターの事業に携わっています。しかし、前職の大手ITベンダー時代は、銀行基幹系システムの開発がメインの仕事でした。
情報セキュリティに関しては、好奇心で、主に土・日・祝日を使って切磋琢磨しました。当時は福岡に駐在していたため、東京に出て来る機会などを利用して、さまざまな情報セキュリティに関するイベントに参加したのです。そこで、仲間に出会い、その後、情報交換を続けることによって、今があります。アプローチの方法は人さまざまだと思いますが、大事なことは、何かストレスを感じる方法では長続きがしないということです。1人で家に閉じこもって、黙々とやるよりも、仲間と一緒に、楽しく学んでいくことも1つの方法だと思います。
(了)
【金木 亮憲】<プロフィール>
花田 智洋(はなだ・ともひろ)
千葉県生まれ。大学院卒業後、大手ITベンダーに勤務し、銀行基幹系システムの開発にプロジェクトマネージャーとして携わる。かたわら、本業以外の活動として九州で情報セキュリティコミュニティを立ち上げ、『ばりかた勉強会』やイベントなどを主催。2017年からは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の主任研究技術員として、ナショナルサイバートレーニングセンター3大事業のCYDER,SecHack365, CYBER COLOSSEOなどに携わる。2018年3月SECCON実行委員長に就任。関連記事
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