【司法書士】一橋 忠明 広島法務局:業務停止4カ月
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処分の事実
(1) 被処分者は、2015年7月ごろ、被処分者の補助者Aを介し、(株)甲銀行および(株)乙から、乙を登記権利者、Bを登記義務者とする土地の賃借権設定登記、乙を所有者とする工場財団の所有権保存登記、甲銀行を登記権利者、乙を登記義務者とする工場財団への抵当権設定登記申請手続の依頼を受け、これを受任した。(2)Aは2015年12月、甲銀行の担当者に対し、⑴の各登記に関するすべての手続について、2016年3月末を期限として完了させることを約束。同月、本件所有権保存登記の手続方法について被処分者に相談した。しかし被処分者はAに対し何ら指導などを行わず、その結果、期限直前においても本件登記手続はまったく着手されていない状態であった。
(3)Aは本件登記手続において甲銀行の担当者から再三進捗状況の確認を受けていたが、手続が進行しているという体裁を取り繕うため、甲銀行の担当者に対し以下の行為を行った。
1.2016年3月ころ、Bとまったく面識がなく、登記申請のために必要な登記済証、印鑑証明書および委任状を取得していなかったにもかかわらず、被処分者を申請代理人として本件賃貸権設定登記申請を行った。
2.上記1の申請について、オンライン申請システムから発行された受付完了を通知する電子情報を印刷し、甲銀行にFAX送信した。
3.2016年4月ごろ、上記1の申請についてこれを取り下げた。この取り下げに関する代理権限を証するものとして提出された委任状は、Aによって偽造されたものであった。さらには、実際には申請していない本件所有権保存登記について、「受付のお知らせ」を偽造し、甲銀行にFAX送信した。(4)被処分者は、本件登記手続に関する司法書士業務をすべてAに任せきりにしていたため、上記⑶の行為および事実に関与していなかった。しかし2016年5月ごろ、本件登記手続が進行していないことを知った甲銀行の担当者が被処分者の事務所を訪れ、手続が遅滞している理由について説明を求めた際に、Aの説明によってこれを知った。
(5)被処分者は、甲銀行の担当者に対し本件登記手続を早急に完了させることを約束し、2016年6月から9月にかけて本件登記手続の申請を行い、すべての登記を完了させた。しかしながら、被処分者はこれら登記申請についても、乙およびBの本人確認および登記申請意思確認をAに行わせた。
(6)被処分者は、2008年4月から2016年12月までに受任した登記事件総数3,789件のうち、3,779件について、本人確認および依頼された事務の内容に関する記録を作成していなかった。
処分開始日:2018年6月4日
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