福岡を活性化させた傑物伝 アパマングループ代表大村浩次氏(4)
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(学) 福岡成蹊学園 理事長・校長 岩本 仁 氏
寡黙に一所懸命に仕事をする
大村さんとの出会いは、大村さんが圓井研創(株)の代表取締役の時代です。25、6年前でしょう。
私が、一般社団法人福岡青年会議所(福岡JC)で活動していた当時、大村さんも福岡JCのメンバーとして参加しておりました。振り返ると、その時はとくに親密な関係ではなく、挨拶程度のコミュニケーションでした。それでも大村さんの存在は際立っておりました。なぜなら、本当に勤勉であるからです。福岡JCの例会の開催時は、いつも参加されておりました。その例会時も、ノートパソコンを開いて、ご自身の仕事をしておりました。会が開かれていることで、皆さまの迷惑になってはいけないと、常に最後方の一番端の席で、黙々と仕事をされておりました。「毎日いそがしくされているのだろう。本当に寡黙に一所懸命な経営者だ」というイメージをもっておりました。一方で、ブロック大会の時には、奥様とお子様と一緒に来られ、「ご家族を大切にされている」という印象で、今も覚えております。
謙虚で礼儀正しく、勤勉に一所懸命に働く経営者で、今もそれは続いております。
その後大村さんは東京に進出されて、苦しい時代もあったようですが、不動産業界のトップクラスの企業に成長させ、今も進化中であることは、誰もが知っていることです。
アビスパ福岡の救世主として
大村さんが東京に進出されてからは、とくにお互いの交流などはありませんでした。時々、大村さんがアパマングループのリーダーとしてご活躍されていることは、周囲から聞いておりました。
そのようななか、2013年10月、Jリーグ・アビスパ福岡の経営危機が表面化しました。当時の代表と役員のほうが私のところに来られて、支援を依頼されました。私は、福岡へ誘致したJCのメンバーでありましたので、他人事でなく、シーズンチケットを購入するなどできることで、支援をさせていただきました。
私の仲間もアビスパへの支援を協力してくれましたが、危機を乗り越えるためには、厳しい状況でありました。何とかして打開するべく、セムグループの八頭司正典会長にアビスパのシーズンチケット購入をお願いすると同時に、アビスパの危機からの救済のための方策を相談に上がりました。その際に「アパマングループの大村浩次さんを紹介します。大村さんは、アビスパ福岡の支援をやりますと表明していただいております。これまでに、サガン鳥栖やアルビレックス新潟の経営に参画したご経験があります」というお話をいただきました。
年が明けて14年1月に、八頭司会長と福岡ロジテム(株)代表取締役社長の小林専司さんと同席させていただき、大村さんとお会いしました。大村さんは、「ぜひともアビスパ福岡の支援を行いたいです」という旨のお話を、情熱をもって我々に説かれておりました。アビスパのため、福岡のために尽力したいという想いは、本気であるとその時にわかりました。“火中の栗を拾う”というお立場であった大村さんの支援のおかげで、アビスパは経営危機を脱して再建への道を歩むことができました。
アパマンでの仕事がどんなに立て込んでいても、アビスパの試合には必ず来られます。アウェーの試合も来られます。アウェーでは、一般の応援席のなかで観戦されております。一度決めたことは、必ずやり遂げられます。本当に責任感が強く、そしてご自身が目立つような行動は一切とりません。本当に気品のあるすばらしい人間力です。
これからもアビスパ福岡のご支援とともに、大村さんの“生き様”を次世代の若い方々に、見せていただきたいですね。経営者として人として、お手本になる方です。
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