「日本式」アダル家具づくりの本家「総合工場」 生産力向上のため、国内新工場も建設中
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福岡県宇美町早見工業団地にある(株)アダルの総合工場(延べ床面積約6,200m2)が操業を開始したのは1989年。それ以前は福岡市内の板付工場(71年操業、現在アダルスタジオ)が生産拠点だった。
中国での大量生産が本格的に始まった2001年以降も、「家具のことなら、なんでもできる」オールラウンド工場として、オーダーメイド家具製作をはじめ、修理や加工などを手がけてきた。張地(生地を張ること)や加工など、中国工場では行っていない作業も対応している。
生産量やコストなどは中国工場が上回っているが、熟練の職人が多く在籍するなど、同社の「日本式」家具づくりの本家として、いまだ重要な役割を担っている。ヨーロッパなどの顧客のなかには、中国工場より、日本工場を信頼する顧客もいる。商品の企画設計スタッフなども常駐しており、顧客からのリクエストなどに対し、きめ細かく、迅速な対応ができる。
商品を生産するうえでの最優先事項は「強度と納期」(小中賢二・アダル総合工場長)という。
工場勤務の従業員数は101名(18年12月時点)で、うち女性社員は19名。中国出身スタッフもいる。工場長をトップに、工程ごとに担当課長を置く。ここ数年、高校新卒などの採用を続け、従業員の若返りが進んでいる。一人前の作業員になるまでには、5年程度の実務経験を要する。
総合工場の主な機械設備は次の通り。
▽NCルーター3台▽自動裁断機2台▽プレス機8台▽縁貼機1台▽横切り8台▽パネルソー3台▽テノーナ2台アダルは現在、総合工場から車で数分の同じ宇美町で、新たな国内工場の建設(2階建)を進めている。受注量の増加などにより、既存の工場が手狭になったためだ。新工場の延べ床面積は約1.1万m2で、既存工場の倍近い広さとなる。新工場には、家具製作の木工、イス張り部門のほか、配送センターを備える。
同社では、各地に分散するものづくり、物流の拠点を宇美町内に集約し、効率的な生産、配送体制の構築を進めており、新工場の建設はその一環だ。20年5月の竣工を予定している。
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