中国経済新聞に学ぶ~中国製電気バス 日本市場への進出拡大(後)
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京都、沖縄、福島、岩手が導入
実際、中国自動車メーカーが日本市場に進出するには、長い道のりを歩き、障害を乗り越えなければならなかった。
比亜迪は2015年に京都で電気バス5台の引き渡しにより、中国自動車工業の60年以上の歴史の中で、中国車が日本の街頭を走る初めてのケースになった。それから2年後、・比亜迪は沖縄でも電気バス10台の引き渡しを行った。
クルーズ船の代理店を務める沖縄シップスエージェンシー(那覇市、松田美貴会長)は2017年12月1日、那覇市若狭の那覇クルーズターミナルに到着するクルーズ客向けに沖縄県内で初めて電気バス10台を導入した。下船したクルーズ客を観光スポットなどへ無料で送迎する。中国大手BYDクループの日本法人、ビーワイディージャパン(横浜市、劉学亮代表)製で、日本国内での導入は京都市に続き2件目という。
リン酸鉄リチウム電池を使っており、豊見城市内の機器を使って充電する。1回の充電で250キロ以上走れる。ディーゼルバスに比べて燃費が良く、低騒音だという。EVなので運行中は排気ガスを出さない、バス周辺で乗車待ちをする際の排ガスによるストレスも減らせる。環境保全の狙いもある。
2月1日、岩手県交通の新型電気バス-BYD製のK9も導入。岩手県交通では初の大型ノンステップバスと言われ、イオンモール盛岡南線で限定運用している。環境悪化が著しく、ディーイーゼルエンジンの運用を全面禁止したい大都市では、現状電気バスか燃料電池バスしか出口がない。しかし旧来のバスの1台2,000万円程度に 対し、トヨタの燃料電池バスは1台1億円。安さが売りのBYDの電気バスでさえ6,500万円だ。
どちらも日本国交相の「低公害車普及促進対策費補助金」制度で車両価格の3分の1。充電機器の3分の1(電気の場合)とその工事費全額が補助される制度の対象だ。燃料電池バスについては、国から5,000万円、自治体から3,000万円(自治体によって異なる)の補助金交付具体例が国交省から発表されているが、それだけの巨額の補助金が申請だけで簡単に出るわけもなく、都度事業計画を提出して審査を経る必要がある。
比亜迪アジア・太平洋自動車販売事業部の劉学亮総経理は「慎重な態度、進んだ技術、確かな実力があればこそ、優れた企業が林立する市場でもしっかりと足元を固めることができるのだ」と述べた。
また劉氏は、「日本現地での運営が順調でなければ、世界300都市以上での豊富な運営経験がなければ、欧州連合(EU)の認証がなければ、一連のコア技術がなければ、このたびの協力はこれほどスムースに進まなかった」と明かした。
比亜迪は次々にやって来る「洗礼」の中で、日本国民の中国自動車メーカーに対する態度や見方を徐々に変えていった。バス専門誌「バスラマ」は、「運行開始から1年になる比亜迪バスは運転手、乗客、事業者にそろって好評」などと伝えた。
中国の改革開放40周年という背景の中、比亜迪が海外に打って出たのは偶然ではなく、技術の進歩がもたらした必然的な結果だといえる。今や、ますます多くの中国企業がこれまでの「フォロワー」や「模倣者」から業界のベンチマークヘと成長を遂げている。
BYDグループの電気バスは、世界50の国・地域、300都市で使われている。一方、日本国内のメーカーは電気バスにはまだ消極的。導入例でも「改造EVバス」が 中心です。はたして、電気バス市場はこのまま中国がシェアを広げていくのか、先行きが気になる。
(了)
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