九電工の株価、官製談合事件の影響を受け低落傾向に
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3月9日、福岡県築上町発注のし尿処理施設建設工事入札をめぐり、同町環境課長と九電工行橋営業所所長が逮捕された。これを受けて九電工の株価は、3月11日以降低落を続けている。4月3日には入札をめぐり、新たに関係者4名が逮捕。株価は一時3,000円台を割った。
3月8日から4月12日にかけての九電工の株価推移を見ると、実に12回も最安値を更新している。事件発覚前(3月8日時点)の九電工株価は3,700円。3月9日に事件の第一報が入った影響で、3月11日の終値は3,685円と、今年に入ってからの最安値を更新。同日は取引開始から終日低調な取引で、株価上昇の気配は見られなかった。
14日は3,575円で3,600円台を割り込み、再び最安値を更新した。この日は福岡県が九電工に対し12カ月の指名停止処分を下したほか、福岡市も指名停止処分を検討している旨を公表している(翌15日に正式公表)。
3月18日から22日にかけては、県内及び近県の各自治体が相次いで指名停止措置を公表した。この週の株価は一度も上昇の気配を見せることなく終始下落に転じ、20日に3,525円、22日には3,510円と、最安値を2度も更新した。
3月25日もこの流れは変わらず、同日の終値は3,415円で3,500円台を割り込んだ。26日はいったん上昇に転じたものの、27日から28日にかけて再び下落。28日の終値は3,400円まで下落した。
3月29日から4月2日にかけて株価は一時上昇。2日時点で3,500円台に回復し、このまま上昇を続けるかと思われた。しかし、3日の夕方、九電工関係者および、入札に参加した会社関係者合わせて4名が談合容疑で逮捕。この影響から、4日の株価は3,295円まで急落した。その後、11日まで6日連続で最安値を更新。11日の終値は2,989円で、ついに3,000円台を割った。
12日の終値は3,060円で再び3,000円台を回復し、15日午前の取引は3,150円。株価上昇に転じているが、官製談合事件は現在捜査中ということもあり、新たな事実発覚に伴い、同社の株価が再び下落に転じる可能性を孕んでいる。また、4月下旬には2019年3月期の決算短信発表、7月には2020年第1四半期の決算短信発表が控えている。今回の官製談合事件による指名停止措置が、同社の業績にどのような影響を及ぼすのか、関係者の注目が集まる。
【長谷川 大輔】
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