酷暑ゴルフと盛り下がり千秋楽国賓トランプ日程
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は米国のいうことに絶対服従なら、日本外交は存在しないも同然であると訴えた5月25日付の記事を紹介する。
米国のトランプ大統領が来日した。3泊4日の旅程である。到着翌日の5月26日には、千葉県茂原市の茂原カントリークラブでゴルフ、両国国技館で相撲観戦、東京六本木の炉端焼き田舎屋での会食が予定されている。
大相撲は14日目に平幕朝乃山の優勝が決まった。13日目の栃ノ心との対戦では行司軍配で敗戦とされたものの物言いがつき、長時間の協議の末に行司軍配差し違いで勝利となった。栃ノ心のかかとは土俵外の土と接触していなかったと見られるが、栃ノ心が負けとされ、朝乃山が勝ちとされた。千秋楽まで優勝争いを残存させるための判断だったように思われる。ところが、14日目に横綱鶴竜が敗れて朝乃山の優勝が決まってしまった。
14日目を終えて、
横綱鶴竜 10勝4敗
大関豪栄道 9勝5敗
大関貴景勝 3勝4敗7休
大関高安 8勝6敗
横綱白鵬 14休という状況で、優勝争いもなくなり、最低の盛り上がりの千秋楽と言ってよい。炉端焼きの田舎屋もトリップアドバイザーの口コミでは、コストパフォーマンスが悪いとの書き込みも目立つ。
5月にもかかわらず、全国的に真夏日となる地点が大量発生しており、千葉県茂原市でも5月26日の最高気温は32度が見込まれている。トランプ大統領のご機嫌を取るために、ありとあらゆるメニューを盛り込んだ日程と見られるが、主権者国民の立場からすれば、媚びを売る外交ではなく、米国にも言うべきことを言う外交を展開してもらいたいところだ。
4月末に安倍首相は訪米して日米首脳会談を行った。この会談後の記者会見で、トランプ大統領は現在進行中の日米FTA(TAG)協議を5月末までにまとめたいとの意向を示した。日本側は慌てふためいて、交渉決着の先送りを画策している。
トランプ大統領は日本から米国への自動車輸出の関税がゼロだと述べた。これに対して安倍首相が2.5%の関税が設定されていると反論した。しかし、この反論は正しくない。米国での売れ筋自動車であるSUVを含むカテゴリーの自動車では、日本から米国への輸出に25%の税率が設定されている。そして、2013年に日本がTPP交渉に参加させてもらうために行った日米事前協議で、この25%の関税率を29年間は引き下げないことが取り決められた。このことは、TPPの付属文書として収載された。米国がTPPから離脱したから、この付属文書が失効したと考えるのが順当だが事実は違う。
日米事前協議で決定された内容は、「日本政府が自主的に決定した事項」で、TPPとは切り離して有効性を維持していることとされているのだ。だから、安倍首相は米国へのSUV輸出の関税率は25%であり、これは29年間引き下げないことになったことをトランプ大統領に説明する必要があった。
※続きは5月17日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「アベノミクス大失敗を問う衆参ダブル選」で。
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