再開見えぬ産廃処分場の今
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福岡市博多区にある金隈産廃処分場は、(株)和幸商会が昨年10月28日まで運営していた。同社は産廃処分業許可を更新できずに、許可期限が切れたため、閉鎖されたままだ。数年前から処分場の売買を発端とした、株式や不動産所有権の移動においてトラブルが生じ、係争に発展。営業再開に向けて水面下では交渉が重ねられているようだが、和解の気配はない。
同処分場に関係する係争案件をまとめてみると、以下のようになる。(判明分)
・募集株式発行の無効請求事件
和幸商会、および関連会社のクリーン金隈の株式を保有していると主張する元役員が和幸商会、クリーン金隈に対し、増資の無効を求めたもの。元役員は増資を知らされていないと主張。・所有権移転登記等抹消登記手続請求事件
クリーン金隈が現処分場の土地所有者に対し、不動産売買が無効だと主張。・占有移転禁止仮処分命令申立事件
処分場の土地所有者が和幸商会に対し、同社の占有を認めるが、第三者に占有を移さないように求めたもの。すでに取り下げられた訴えも複数あるが、株式や土地所有権をめぐる裁判合戦は今も続いている。このほか、昨年には和幸商会、クリーン金隈の元役員で株主であるとする個人が現経営陣らに会社を乗っ取られたとして、博多署に告訴状を提出している。現経営陣の一連の行為が「私文書偽造」「公正証書原本不実記載」などに該当すると主張していた。
福岡市内の最終処分場としてはアクセスしやすい場所にあり、市内の業界関係者は再開を望む一方で、関係者らの和解交渉はなかなか進展しない。和解交渉においては、九州外から複数の人物が登場しており、関与者は膨らみ続けている。なお、営業再開できない和幸商会の所有不動産には、今年に入り、複数の差し押さえが確認されている。
【東城 洋平】
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