2024年12月22日( 日 )

入ってはいけない会社(6)~長期間に渡って赤字を出し続ける会社

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 赤字を出し続ける会社は、倒産する可能性が高いのだから入っていけないのは当然。それは間違いではありませんが、今回お伝えしたい趣旨は少し違います。

 長期間に渡って赤字を出し続けながら、倒産しない会社もあります。こうした企業の多くは、業歴も古く老舗企業として知られていたりします。赤字を出し続けるというのは裏を返せば、それだけ蓄積してきた利益があるということです。利益の蓄積を内部留保と言いますが、かつて事業が好調だった時代があり、そのときに潤沢な内部留保を潤沢に蓄えていたのです。ところが時代が変わり、経営環境も変化していく流れに対応することができず、採算の取れない事業を続けていると、赤字が続くことになります。

 業績の悪化に手をこまねいていたわけではなく、事業規模の縮小や新規事業へのシフトなども図るのですが、大抵の場合は打つ手が遅く、なかなか事業が好転していきません。改革のスピードが遅いのです。潤沢な内部留保は経営に余裕を生みますが、一方で危機感の欠如、緩みに繋がります。「まだ大丈夫」との思いがスピード感を阻害するのです。結果として赤字を出し続けることになります。

 「倒産しなければ赤字続きでもいいのでは」。そうした考えもあるでしょう。しかし、こうした考えは会社として税金を支払っていく社会的な役割を放棄するものです。会計上の利益と法人税を算出するベースとなる課税所得は同額ではないため、赤字企業がまったく税金を払わないというわけではありませんが、経営者に社会的な役割を果たす理念やモラルが欠如していることを表しています。そのような会社で、仕事のやりがいや満足感を感じることができるでしょうか。モチベーションの低い職場では、個人としてのスキルアップや自己成長も難しくなります。内部留保も永遠に存在するわけではありません。ずっと赤字を続けていれば、会社の体力は確実に弱まっていきます。待遇面に影響が出始めたことで転職を考えても、他社で通用するスキルが身についていなかったりします。

 会社が業績を公表していなければ、赤字を続けている会社かどうか、一般の人にはなかなかわからないものです。会社の業績についても、できる限り情報収集をしておく必要があるのではないでしょうか。

(つづく)


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