日本製品不買運動の影響(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
世界的な競争力がある日本の自動車だが、韓国における日本車の販売台数は2014年以降、ずっと増加していた。しかし、今回の不買運動で8月の販売台数は前月比で80%も減少している。トヨタ自動車の場合は前年同月比で59.1%の減少で、日産自動車は87.4%の販売減に見舞われている。
このようにさまざまな分野で、不買運動が拡散しつつある。KBSの世論調査によると、回答者の79.2%が不買運動に賛同していると答えたようだ。
現在展開されている不買運動にはどのような問題があるのだろうか。
日韓問題の本質は政治的な対立が原因なので、不買運動によって、この問題を解決するには解決策としては弱すぎるという指摘がある。不買運動のような間違ったことに解決策を求めると、国民に犠牲を強要する結果になるだけだ。
たとえば、不買運動により、ユニクロ製品が売れなくなり、「日本企業に打撃を与えた」と思い、喜んでいる者もいるかもしれないが、ユニクロが被害を受けることによって、ユニクロ関連で生計を立てている多くの韓国企業はどうなるだろうか。また、ユニクロに務めている社員の雇用はどうか。
日韓の経済は深く結びついており、政治的な問題で感情的な対応をすると、お互いが被害を受けるのは、自明の理である。
政治家は統計を弄って、それほど経済に影響がないと言っているが、現場においては肌で感じられるくらいの大きな被害と変化があるわけだ。政治家は国民を人質にする、このような真似はやめてもらいたい。
日本では韓国のコア産業である半導体の材料を輸出規制することによって、韓国に打撃を与えようとしているが、半導体の材料というのは、現場で使用しながら技術が磨かれ、結果的に技術が蓄積されていく。しかし、世界最大手と取引できなくなったことによって、将来、日本企業が受ける被害は図りしれない。
サムスン電子は半導体の世界王者で、サムスン電子と組むことなしに、日本の材料産業の発展もあり得ない。サムスン電子が材料の代替品を開発すると、日本企業は大きな販売先を失うことになる。サムスン電子に代わるような取引先を簡単に見つけることもできない。このように日韓の経済は深く結びついている。
韓国人は感情的になりやすい国民性で、いつも損をしているが、今回の日本の対韓輸出規制は、韓国人が一致団結するきっかけを与えているような気がする。
一方、日本はとても画一的な社会で、「右に倣え」というような側面が強い。政府と違う意見を出すことがなかなか容易な社会ではない。国民は従順で反抗しない。それは日本の強みでもあり、弱みでもあると筆者は思っている。
最後に、今回の問題はどのように解決されるべきか。首脳会談をはじめ、日韓がこの問題に積極的に取り組むべきだ。政治的な問題なので、政治的な解決方法しかない。徴用工問題なども韓国政府が介入し、財団などをつくり、関係企業から協力してもらえれば解決できるだろう。
(了)
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