トランプ大統領が狙う北方領土カジノ構想(後編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年9月20日付の記事を紹介する。
筆者は以前、自著『ハゲタカが嗤った日』(集英社インターナショナル)で、イ・アイ・イ・インターナショナル社長・高橋治則氏のことを書いた事がある。彼は「日本のドナルド・トランプ」との異名を持つ程の不動産王であった。日本だけでなく、環太平洋地域にまで彼の資産は広がり、一兆円規模とまで言われていた。その彼が一番力を入れたのがニューヨークであり、リージェンシー、フォーシーズン等のホテルを買収し、大成功していたのだが、バブル崩壊後、彼も長銀から手の平を返され、破綻してしまった。
この高橋氏とトランプ氏は似た者同士として親交があり、北方四島の開発計画に高橋氏も誘われていた。とはいえ、北方領土はソ連時代に不法に占領された経緯があり、日本企業は参入できない状況があった。いわゆる「未解決の領土問題」である。この政治的課題が克服されないため、トランプ氏肝いりの事業計画はお蔵入りを余儀なくされてきた。ところがトランプ氏の大統領当選により、再び脚光を浴びる事になったわけだ。
2016年5月、トランプ氏が大統領選挙を戦っていた時期、参議院の外交防衛委員会において筆者は岸田外相に質問したものだ。「米大統領選挙でトランプ氏が勝利するかもしれないが、彼は前々より北方領土にカジノを開発するプランを持っていた。もし彼が大統領に当選し、ロシアにこのプランを提唱すれば日本政府はどう対応するのか?」と。岸田外相の反応は「仮定の話には一切お答えできません」とつれないもの。とはいえ、この場面の映像がテレビで繰り返し流され、話題となったものである。実は、同じ質問を安倍総理にもしたのだが、残念ながら真摯な回答が得られることはなかった。
では何故、北方四島の中で、国後島なのか。面積の規模、発展の状況からすれば択捉島の方がふさわしいはず。実はトランプ氏にとって、国後島は思い入れのある島なのだ。トランプ氏が良く使っていたフレーズに「Make America great again(米国を復活させる)」「America First(米国第一)」がある。これを最初に提唱したのはチャールズ・リンドバーグ氏であった。
彼は大西洋単独横断飛行を成功させた、世界的に最も有名な飛行家であるが、1931(昭和6)年に北太平洋航空路調査のため、夫妻でカナダ、アラスカ経由で来日した事があった。この時は彼が操縦桿を握り、飛行機で北海道・根室に向かっていたのだが、国後島沖で濃霧に遭い不時着を余儀なくされた。幸い夫妻は国後島の漁民に救助され一命を取り留めた。そのため、リンドバーグ夫妻の記念碑が国後島には建立されている。
※続きは9月20日のメルマガ版「トランプ大統領が狙う北方領土カジノ構想(後編)」で。
著者:浜田和幸
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