鹿児島産廃不法投棄事件 自主撤去はまだ1社のみ
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鹿児島県志布志市の山中で見つかった(株)北斗(佐賀県鳥栖市)による産業廃棄物(廃石膏ボード)の不法投棄事件において、県は排出事業者に自主撤去を求めていたが、撤去に応じた排出事業者は今年9月末時点で、わずか1社にとどまることがわかった。
県は昨夏、廃石膏ボードの排出事業者約500社に対し、撤去方法についてのアンケートを実施するとともに、説明会を開催し、自主撤去を促していた。当時の県の説明では、自主撤去に応じた業者が同じく1社だったことから、説明会以降、撤去に応じた排出事業者はいなかったことになる。
県に最新のアンケート回収状況を尋ねたところ、A(自主撤去)と回答したのが30社、B(組合による撤去で費用負担する)と回答したのが165社、C(その他)が125社だという。依然180社からは回答が得られていない状況だ。
鹿児島県からの措置命令(全量撤去)を不服として、(株)北斗の役員が環境大臣に審査請求を行っていることは既報済み(こちら→【続報】産廃不法投棄事件の真相(1)~北斗関係者「逃げるつもりはない」)。審査請求の結果次第で、北斗が撤去に応じることもあるとしていた。
県は今年4月末、北斗側の意向を記載した文書を排出事業者に通知。県が「自主撤去における今後については、審査請求の結果を踏まえて、改めて通知する」としたことで、多くの排出事業者が審査請求の結果を待っており、以降、排出事業者から県への問い合わせは減ってきているという。北斗に確認したところ、現時点で審査請求の回答は出ていないという。
審査請求がなされてから2年半が経過しようとしている。請求から回答までの標準的な期間は半年とされるなかで、異例の長さだ。排出事業者、北斗関係者、そして県も審査請求の結果を待つほかない状況にある。
【東城 洋平】
▼関連リンク
・(株)北斗関係の不法投棄事件 県協会が話し合いの場呼びかけ
・【続報】産廃不法投棄事件の真相(1)~北斗関係者「逃げるつもりはない」
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