大英産業、福証IRフェアにて講演~「地域に永く愛される会社に」
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大英産業(株)(北九州市八幡西区、大園信社長)は12月18日、ソラリア西鉄ホテルで行われた「福証IRフェア」で講演を行った。同社は2019年6月4日、株式を福岡証券取引所に上場。地元北九州市に軸足を置き、今後は大分県、宮崎県や東九州エリアに営業網を拡大していく方針を掲げている。
同社は1968年11月設立。前会長である大園英彦氏が、北九州市小倉区(現・小倉北区)で大英建設工業(株)を興したのが始まり。設立当初は主に福岡県中間市で宅地開発や分譲事業を行っていたが、86年からマンション事業(現在のサンパークマンションシリーズ)に進出。九州・山口の供給実績は8,473戸を数える。
近年は住宅事業にも力を入れており、2009年から販売を開始した自社ブランド「サンコート」を冠した新築一戸建の分譲住宅の供給実績は2,500戸を超え、創業時からの供給実績を合わせると3,000戸超となっている。
09年9月期の売上高はおよそ65億円、そのうちマンション事業が占める割合が約92%を占めていたが、19年9月期は売上高300億円を突破、住宅事業の占める割合が約47%となっている。経常利益は13年9月期以降、増加傾向にある。ここ10年間の同社はマンション事業で売上規模を拡大しつつ、住宅事業の割合を増やすことで利益率を高めてきたといえる。
事業が好調に推移している背景として、同社常務取締役・一ノ瀬謙二氏は、「この業界はいかに良い土地を仕入れるかがビジネスの肝となる。当社はこの仕入れ部分を一番の強みとしている」と説明。「いかに売主様や仲介業者様から土地を仕入れることができるか、そのために、毎日コツコツとコミュニケーションを図り、地域のビジネスパートナーとの関係性を深めてきた」と話した。こうしたコミュニケーションの積み重ねが、大手の参入を許さない同社独自のネットワークを構築している。
設立50周年を迎えた2018年、同社は経営理念を刷新。「元気な街、心豊かな暮らし」をコーポレートビジョンに掲げている。
これについて一ノ瀬氏は、「2040年には九州のおよそ2割の都市で人口が半分に減少すると言われている。人口が半分になれば街としての機能を果たせなくなる。当社は『住み続けられる持続可能なまちづくり』をコンセプトに、この経営理念を掲げている」と説明。「さまざまな家族形態や価値観を持つ方々に対し、ライフステージに合わせた多様な住まい方を研究・提供し、多くの世代が共生できるまちづくりを担っていきたい」と話した。
今後の成長戦略としては、既存の不動産を有効に活用するため、中古不動産の買取再販事業の強化やタウンハウス事業に力を入れていくと話した。また、経営上の課題として業績の平準化を挙げ、各プロジェクトを適切に管理し、4半期ごとに安定して物件を引き渡せる体制づくり、着工から引き渡しまでのサイクルが短い事業を新設し、ポートフォリオを上げていくことを述べた。
最後に一ノ瀬氏は、同社の大きな特徴である「地域貢献」についても触れ、「地域に愛され、地域のお客様から認められたことで、福証に上場することができた。これからも地域に愛され認められる企業努力はもちろん、今後は株主様からも永く愛される会社にしていきたいと思っている」と話し、講演を締めくくった。
【長谷川 大輔】
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