【2020年 年頭所感】傷つき、沈没寸前の「地球丸」 社会貢献事業で人類の危機を救おう(3)
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(株)データ・マックス 代表取締役社長 児玉 直
■能無し腐った高級官僚たちが日本を滅ぼす
19年12月21日の朝日新聞朝刊から記事を抜き出してみよう。
腐った例の典型。「総務次官、情報漏洩で更迭」という見出しで鈴木茂樹総務次官が元次官・鈴木康雄日本郵政副社長にかんぽ生命の不適切な保険販売に対する日本郵政への処分案を漏らして更迭されたことを伝えている。鈴木康雄氏は更迭された鈴木茂樹氏の元上司にあたる。役人のトップ職にあたる次官が総務省のトップシークレット討議事項を流す動機は何なのか?
最大の動機は茂樹次官の再就職先確定のためである。康雄日本郵政副社長は次期社長候補と目されている人物。明らかに再就職先を狙った忖度(そんたく)行為だ。「日本郵政民営化」という大義の旗の下に、高級官僚たちが老後の再就職のために官庁を私物化しているのである。まさしく役人たちが日本国を滅ぼす一例である。
能無しの例、2点。「農水官民ファンド廃止」が発表された。鳴り物入りで発足されたファンドで、新技術を駆使した農業の関連事業にも融資を行う予定であったが、赤字続きで存続を断念したという。役人たちは簡単に予算を組むが、その実行能力はまるでゼロ。
その理由は単純明快、赤字を出したとて誰も責任を取る必要がないのだ。2020年度予算案で一般会計の歳出総額は102兆6,580億円と8年連続で過去最高を更新したが、この大盤振る舞いの予算のなかで、いったいどれだけの無駄な「死に金」が発生するのであろうか。
■働き方改革が日本人を潰す
働き方改革については、たしかに「過労死」などという忌々しい言葉が生まれたことを考えれば、労働環境が改善されるべきなのは間違いない。しかし、「労働が悪」かのような言論が飛び交っているのには我慢できない。
労働時間を短縮することには異論はない。ただし、この論を主張する者はたいてい、労働者の所得を上げるという視点が欠けているのだ。これでは60歳を過ぎても単純作業の低賃金で働きなさいという意図が丸見えである。
生活が維持できなければ国に面倒を見てもらえば良い、というが、はたしてそうであろうか。日本が国としての勢いを持続していた時代であれば、まだ経済的支援の余地はあっただろう。しかし、前述した通り日本の人口は急激な勢いで減り続けていく。何のスキルも知識もないままに年齢を重ねて、ある日突然「国は面倒見きれないよ」と通告する、これほど冷酷なことがあるだろうか。
やはり自立して収入を得て、納税できる階層を増やすことこそ、いまの日本に必要な施策であることは間違いない。中産階級の減少を食い止めるためには「専門職の養成」「起業家育成」の施策を打ち出すべきである。
知人の飲食店主が「働き方改革は匠の技術を殺す」と嘆いていた。料理人たちの大半はいずれ独立=自営業の道を選択する。「料理人を育てるための鍛錬の時間を〈労働〉と規定されたならば、料理職人たちは研鑚不能」ということだ。
(つづく)
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