従業員が管理組合財産を着服~東京都のマンション管理会社に監督処分
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国土交通省関東地方整備局は2月6日、東急不動産ホールディングス・グループの一員で、マンション管理業を手がけるコミュニティワン(株)(東京都世田谷区、大熊剛代表)に対し、監督処分を行った。同社は2015年と2018年にも同様の理由で監督処分を受けており、今回で3回目の処分となる。
関東地方整備局によると、同社が管理を受託している複数の管理組合で、同社の従業員と再委託先の従業員が、管理組合財産(修繕積立金など)を不正に着服していたことが判明したため。また、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)施行規則には、「マンションの区分所有者などから徴収した修繕積立金等を収納口座に預入した後、そこから当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を翌月末日までに保管口座に移し換え、預貯金として管理する」と定められているが、同社はこの口座に移し換える作業を行っていなかったことも明らかとなった。
同社は取材に対し、「(今回の不正行為は)管理組合から提出された決算書を確認した際、実際の予算より多く計上されていたことから社内調査を行った。その結果、同社従業員と再委託先の従業員が、備品購入時に飲み物や日用品などの私物を合わせて購入していたことが判明した」と説明。不正に加担していた従業員は合わせて11名、着服された金額はおよそ370万円にものぼるという。着服分については組合に全額弁済されて、11名に対しては社内規定に基づいてすでに処分が下されている。なお、着服した金額については11名から弁済する旨の意思確認が取れているという。
不正が行われた背景として同社は、「これまで他社からのリプレイスやM&Aなどにより管理物件を増やしてきたが、その際、元の管理会社の方法を踏襲して管理していた。結果として管理組合ごとに異なる管理方法が混在し、それぞれの管理体制の把握ができていなかったことが今回の事態を招いた」と説明。今後については、「これまでバラバラだった管理方法の統一化を図り、支店ごとに行われていた管理業務も本社で一括化する方向で動いている。管理業務については、監査法人を新たに設置したうえで会計処理マニュアルを作成し、それに沿って適正な会計処理を行っていく」としている。
【長谷川 大輔】
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