CTF国際大会第1位の栄冠を手にしたのは日本チーム!(後)
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昨年末の12月21日(土)と22日(日)の2日間、秋葉原を会場(AKIHABARA SQUARE & 秋葉原コンベンションホール)にして「SECCON 2019」(主催:SECCON実行委員会/(特非)日本ネットワークセキュリティ協会)が開催された。会場では日本最大規模のCTF大会「SECCON2019決勝大会」、そして各種のワークショップ、カンファレンス、展示などが行われた。昨年(「新生SECCON~国際大会で第1位-第3位を日本勢が独占!(前)」)に続いて、SECCON実行委員長を務めた花田智洋氏に大会の総括、そして今後の展望を聞いた。
SECCON実行委員長 花田 智洋 氏
第1位日本、第2位韓国、第3位中国のアジア勢で占めた
――ここからは、CTF大会のことについてお聞きいたします。まずは国際大会です。
花田 オンライン予選では、64カ国、799チーム、2,347人の方に参戦いただきました。国際大会には14チームが出場しました。内訳はオンライン予選から11チーム、そしてASEANの連携大会(「Cyber SEA Game2019」)と台湾の連携大会(「台湾AIS3」)から2チームとデフェンディングチャンピオンの「TSG」です。国別内訳では、日本4チーム、韓国2チーム。中国2チーム、ロシア、ウクライナ、ポーランド、台湾、タイ各1チームとEAST ASIAチーム(東アジア連合チーム)です。結果は下記の通りで第1位から3位までアジア勢が占めました。
CTF決勝(2019)国際大会上位3位(攻撃ポイント+防御ポイント)
1位 NaruseJun(日本) 4,323点(1,300+3,023)
2位 CodeRed(韓国) 3,374点(1,400+1,974)
3位 Blue-Lotus(中国) 2,582点(1,500+1,082)1日目は「Blue-Lotus」が首位を走っていたのですが、2日目に「NaruseJun」が追い上げ、死闘を征し、経済産業大臣賞(第1位)の栄誉に輝きました。第1位のNaruseJunは東京工業大学のチーム、2位のCodeRedはCTF参加者から成る韓国の“security research team”、3位のBlue-Lotusは中国・清華大学のチームです。いずれも世界的な強豪チームでした。
優勝は「dodododo」、文部科学大臣賞は「LyuT4x」「kimiyuki」
――続いて、国内大会です。
花田 決勝に駒を進めたのは、オンライン予選上位から国内13チームと連携大会の「SANS NetWars Tournament2019」と「Kosenセキュリティコンテスト2019」からの招待2チームの計15チームです。王者に輝いたのは昨年に続いて強豪「dodododo」です。2位の「kimiyuki」は神戸の大学で数学と哲学を勉強している学生、3位の「Team Enu」はNTTグループの旗取同好会のメンバーでした。
CTF決勝(2019)国内大会上位3位(攻撃ポイント+防御ポイント)
1位 dodododo 3,896点(1,500+2,396)
2位 kimiyuki 2,260点(1,000+1,260)
3位 Team Enu 2,051点(800+1,251)文部科学大臣賞(国内大会に出場した一番優秀な学生チーム)には、「Kosenセキュリティコンテスト2019」からの招待チーム「LyuT4x」(東京都立産業技術高等専門学校・品川キャンパス)が選ばれ、文部科学大臣・個人賞(出場した学生のなかで、一番多く攻撃ポイントを獲得した)には、4人編成のチームが多いなか、2日間1人で闘った「kimiyuki」が選ばれました。
SECCON、新しく生まれ変わる「SECCON CTF 2020」に期待を!
――時間になりました。SECCON2020の展望を語っていただき、読者にエールをいただけますか。
花田 SECCONは2012年から継続してやってきて今年で8年目を迎えようとしています。この間、SECCONの位置づけ、SECCONに対する皆さまの期待も少しずつ変わってきていると感じています。開始当初は「普及・啓発」ということが大きな目標でした。
現在はCTFを含むセキュリティイベントがさまざまなかたちで実施され、SECCONだけが普及・啓発の手段ではなくなっています。CTFについても、期間中は毎年継続してやってきました。しかし、今「SECCONN CTF」の名に相応しいCTFとはどのようなものかを再度問い直さなければならないと感じています。
新しいCTF検討ワーキンググループの進捗に合せて今後を考えていくつもりです。読者の皆さまも、出題者として、プレーヤーとして、SECCONの将来、SECCON CTFの将来のためにご協力いただければ幸いです。
同時に、SECCONは1,000人を超える入場者を迎えることができるようになりました。「YOROZU」などを通じて、ご自身で開発したツールなどを広く、専門家、ユーザーに問うチャンスの場でもあります。この機会にSECCONを有効に活用いただきたいと思います。
最後に、CTFという点でいえば、世界では365日毎週どこかでCTF大会は行われています。皆さまにおかれましては、ぜひ積極果敢にチャレンジして、腕を磨いて欲しいと思っております。では、多くの読者の皆さまと今年のCTF決勝戦会場でお会いできますことを楽しみにいたしております。
(了)
【金木 亮憲】<プロフィール>
花田 智洋(はなだ・ともひろ)
千葉県生まれ。大学院卒業後、大手ITベンダーに勤務し、銀行基幹系システムの開発にプロジェクトマネージャーとして携わる。かたわら、本業以外の活動として九州で情報セキュリティコミュニティを立ち上げ、『ばりかた勉強会』やイベントなどを主催。2017年からは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の主任研究技術員として、ナショナルサイバートレーニングセンター3大事業のCYDER,SecHack365, CYDERANGE開発などに携わる。2018年3月SECCON実行委員長に就任。関連記事
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