2024年12月23日( 月 )

「コロナにも暴風にも負けない」~自然災害の住宅防水対策として注目を集める「OSORAリビング」(1)

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(株)栄住産業

 近年、地震や台風、豪雨など自然災害が増加し、防災意識が高まるなか、住宅のレジリエンス性(強靭性)がクローズアップされている。とくに屋根の防水技術に定評のある企業として注目されるのが、福岡に本社を構える(株)栄住産業である。1976年に鹿児島で創業以来、金属防水工法の販売を手がけ、2003年に木造用住宅の金属防水加工技術「スカイプロナード」を開発。この技術を使い、屋上を幅広く活用する「OSORAリビング」を提供している。「スカイプロムナード」は3月17日、災害に強い住宅・まちづくりに貢献する建材として高く評価され、「第6回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)で最優秀賞を受賞した。「コロナにも暴風にも負けない」同社についての分析をお届けする。

増え続ける台風・豪雨被害

 2019年10月に関東圏を中心に猛威を振るった台風第15号と19両台風は「強い勢力」を保ったまま上陸し、関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力となった。この台風による被害は甚大で千葉県防災危機管理部の「令和元年代風15号(第118報)および台風19号(第61報)」によると戸建・マンションを含む住家被害は、全壊409棟、半壊4,258棟。一部損壊7万1,023棟となっている(20年3月12日現在)。この損壊件数には床上・下浸水件数が含まれておらず、屋根部分、外壁、窓など損害件数を示している。

 気象庁によると台風の上陸数は年々上昇傾向にある。1981~1990年に26回、1991~2000年に28回、2001~2010年に28回と過去30年間の記録のなかで10年に30回を超えることはなかったが、直近の11~19年の9年間だけでもすでに35回以上の台風が上陸しており、50回以上となる可能性もある。発生数も多く、日本各地に甚大なる被害を残したのも、記憶に新しい。さらに上陸する地方にも変化が生まれてきている。以前は、台風といえば南日本、とりわけ南九州地方のイメージがあったが、最近では関東圏への上陸が多くみられ、発生および上陸する季節も長くなっている。

 また台風のほかにも記録的集中豪雨が西日本を襲い、集中豪雨としては観測史上最悪の被害となり、災害につながる稀にしかない雨量が観測され、「記録的短時間大雨情報」を気象庁が発表するなど雨、風などによる天災はますます懸念されている。

 これらの原因は、地球の温暖化による影響が大きな要因の1つとされている。地球温暖化が今後進行した場合、さらに大雨の発生数は増加すると予測され、住宅における雨水の侵入は、住宅の躯体(構造)に大きな影響をおよぼす。雨水が住居に侵入した場合、問題となるのはシミや家具家電など表面に見えるものだけではない。被災直後の千葉在住の住民のなかには、最上階の天井をくり抜き、畳をすべて取り出し、必死に柱に生えたカビをふき取っている姿があった。「雨水が進行したことで、骨組みの部分から修繕する必要ができて多額の費用と手間がかかった」と頭を抱えていた。

(つづく)

【麓 由哉】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:代表取締役会長  宇都正行
    取締役社長  宇都和光
所在地:福岡市東区原田-5-6
設 立:1976年2月
資本金:9,800万円
売上高:47億4,831万円(19/3期)

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