2024年12月22日( 日 )

【コロナに負けない(27)】今のところ影響は軽微~造園業界

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 「幸いにして、新型コロナウイルスの影響はそれほど感じませんね」――と話すのは、福岡市博多区に本社を構える、ある造園工事業者の代表。新型コロナによってさまざまな業種・業態が影響を受けるなか、造園業界においては他業種に比べると、今のところその影響は軽微に抑えられているという。

 もともと屋外での作業がメインの造園工事では、「密閉」「密集」「密接」のいわゆる“三密”状態にはなりにくい環境にある。これまで、夏は炎天下の日差しの下、冬は寒風吹きすさぶ寒空の下で――という過酷だった作業環境が、ここにきて良い意味で裏目に出たかたちだ。
 さらに、公園内での草刈や剪定、緑地の保全・管理などの作業については、建設資材などを新たに必要とするものではない。そのため、新規に庭などを施工する場合でもなければ、ほかの建設業種に比べると、新型コロナに関連した資材不足の影響も少ないという。

 「新規の施工件数などは減っていくかもしれませんが、公園や緑地の保全・管理などの業務については、大きな影響はないと見ています。これから夏にかけて草木が生い茂る時期になっていきますし、秋には落ち葉なども発生します。こればっかりは新型コロナの影響に関係なく、定期的に草刈や剪定、清掃などをしていかなければなりません。もちろん、感染防止のために万全の対策を行ったうえで、我々は作業にあたっていきます」(前出の造園業者・代表)。

 現在、新型コロナ感染拡大防止のための外出自粛要請などを受けて、街中などから人の姿が少なくなる一方、週末ともなると家族で公園に出かける人の姿が、これまで以上に増えてきている。そうした皆が安心して楽しめる公園内の環境をきちんと保っていくためにも、保全・管理を担う“縁の下の力もち”的な造園工事業者の奮闘は欠かせない。

【坂田 憲治】

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