2024年12月19日( 木 )

日銀が追加金融緩和策を決定~日経平均株価大幅上昇

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 日銀は27日午前、4月の金融政策決定会合を開催した。通常は2日間開いている金融政策決定会合を1日に短縮。新型コロナウイルスの感染拡大で経済への影響が一段と深刻になっているとして、3月に続き2回連続で、追加の金融緩和に踏み切ることを決定した。

~追加の金融緩和策について~
◆国債については、「年間80兆円をめどとする」としていた買い入れの上限を当面撤廃し、低い金利で一段と潤沢な資金を低金利で市場に供給する。
◆社債やコマーシャルペーパー(CP)の購入枠を拡大する。金融市場に大量の資金を供給できる態勢を整えて急激な金利上昇を防ぐとともに、社債などの購入を通じて新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた企業の資金繰りを支援する。
◆先月導入した0%の金利で金融機関に資金を貸して積極的な融資を促す制度についても、金融機関が個人向けに行っているローンも日銀が預かることで仕組みを強化する。

~日銀の景気予測について~
 日銀は今年度の経済成長率をマイナス3%程度からマイナス5%程度までと、リーマンショックの影響を受けた2008年度のマイナス3.4%と同程度か、さらに大きな落ち込みになるとの厳しい見通しを示した。
 新型コロナウイルスへの対応では、世界各国の中央銀行が異例の金融緩和を打ち出し、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会も国債などを制限なく買い入れる量的緩和策を続けている。
 政府が国債の新規発行を増やして大規模な経済対策に乗り出すのに連動して、日銀も追加の金融緩和で政策を総動員する姿勢を打ち出した。
 金融政策決定会合に出席した西村経済再生担当大臣は、会合終了後に記者団の取材に対し「今回の日銀の措置は、政府の緊急経済対策における資金繰り支援策を日銀の立場から、さらにしっかり支えてもらえるものだと評価している。政府・日銀のまさにポリシーミックス、政策の組み合わせを強化するものだ」と述べ、そのうえで「日本経済を早期に回復させるべく、引き続き政府・日銀の間で危機感を共有し緊密に連携をしていく」と語った。

【表1】、【表2】を見ていただきたい。日銀の追加金融政策の発表を受けて、日経平均株価及び九州地銀の株価も全銘柄が上昇している。
~この表から見えるもの~
◆日経平均株価の年初来の前日比上昇率順位表を見ると、トップテンのうち、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、4月が5回入っている。政府・日銀の並々ならぬ努力が垣間見える。
◆九州地銀の27日の株価を見ると、ふくおかFG、九州FG、大分銀行、宮崎銀行の株価が20年3月期末の株価を上回っている。

<まとめ>
 日経平均株価は上昇しているが、【表3】、【表4】から見えるように新型フコロナウイルスの感染拡大は続いている。日経平均株価はまだまだ乱高下することになりそうだ。また新型コロナウイルスの影響は深刻で、今後、中小企業だけでなく上場企業の倒産も出るのではないだろうか。

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【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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