2024年11月27日( 水 )

ベテラン金融マンが戦慄する中小企業の現状

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 「こんな経験は初めて」バブル崩壊やリーマン・ショックを経験したベテラン金融マンAは、殺到する制度融資の申し込みに衝撃を受けている。

 Aは「リーマン・ショック時に不動産・建設などが大打撃を被ったが、対象となる業種は限定的だった。しかし、今回はほぼすべての業種が影響を受けている」と語る。
 新型コロナウイルス感染拡大にともなう融資申請の事業者は、あらゆる業種に広がっている。「事業者に融資を実行しても提供できるのは運転資金の2カ月分程度。それ以上収束が長引くと影響は計り知れない」とAは頭を抱える。

 より深刻だと感じるのが通常の融資を申請していた借主が実行しないケースが生じ始めたことだ。先行きへの不安から、たとえ少額でも負債の拡大を恐れるようになったという。「今後の消費活動に影響してくるのは必至。自動車、住宅、消費者はあらゆる出費を抑えにかかる」とAは過去の経験をもとに語る。

 「我々は不況の入口に立ったに過ぎない」。Aは経験豊富な金融マン人生で初めての難局に向き合っている。

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