JR九州が2020年3月期決算を発表~観光自粛、インバウンド減少の影響大きく
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11日、JR九州が2020年3月期決算を発表し、JR各社(貨物を除く)の決算が出そろった。JR九州は営業利益(前年同期比22.7%減)、経常利益(同23.9%減)、当期純利益(同36.0%減)とすべてで減益となった。とくに当期純利益の落ち込みがほかのJR各社と比べて激しい。
中核の鉄道旅客事業の運輸取扱収入は、業績予想1,535億円に対し実績が1,473億円と減った。同社はその差額の62億円を新型コロナウイルスの影響によるものと見ている。とくに中長距離収入、JR九州レールパス販売額が大きく落ち込んでいる。また、ホテル事業も営業収益の業績予想185億円に対し実績が166億円と大きく影響を受けており、観光および出張の自粛、インバウンド減少が業績に大きく影響をおよぼしている。インバウンドに関しては、3月9日から福岡空港などの国際線路線の大半を占める中韓路線が運休となり、その他の九州と各国を結ぶ国際線も続々と運休となっている。
同社は2021年3月期について、見通しが不透明なことから業績予想と年間配当金については未定としている。外出自粛の影響拡大による運輸取扱収入の減少幅拡大、それによる駅ビル来店客数および駅周辺回遊人口の減少などの影響がグループ全体へ波及することを覚悟しているようだ。当面は、キャッシュフローが大きく減少していることから、手元流動性の確保を最優先とした施策を推進するとともに、資金調達手段の多様化を検討・実施するとしている。
【茅野 雅弘】
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