2024年11月24日( 日 )

コロナショックが直撃~九州経済の現状を検証する (前)

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 政府は5月4日夕方、新型コロナウイルスの感染防止対策本部を開き、対象地域を全国としたまま、6日に期限を迎える「緊急事態宣言」について、今月31日まで延長することを正式に決めた。延長に伴い、7都府県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県)に、6道府県(北海道・茨城県・石川県・岐阜県・愛知県・京都府)を加えた13都道府県を「特定警戒都道府県」に指定している。
 安倍首相は明日14日を目途に、感染者数の動向などを専門家に分析してもらい、可能だと判断すれば、31日を待たずに宣言を解除する考えを示した。また、緊急事態宣言の延長にあわせ、都道府県が休業要請を緩和する際の指針を示した。特定警戒都道府県に指定されている特定警戒都道府県以外の34県は、感染防止のための条件を満たせば、飲食店の営業短縮の解除などが可能になる。また感染者が減少している福岡、愛知、茨城、岐阜の4県も指定解除の方向で調整している。

【表1】は新型コロナウイルス感染者の都道府県順位表である。
~この表から見えるもの~2
◆5月13日(午前0時現在)の感染者順位は以下の通りとなっている。
・1位 東京都    前日比+28人の4,987人(前日比+0.56%)。
・2位 大阪府    前日比+6人の1,750人(前日比+0.34%)。
・3位 神奈川県    前日比+15人の1,191人(前日比+1.28%)。ここまで感染者数1,000人以上。
・4位 北海道     前日比+13人の979人(前日比+1.35%)。
・5位 埼玉県    前日比+1人の967人(前日比+0.10%)。
・6位 千葉県    前日比+3人の880人(前日比+0.34%)。
・7位 兵庫県    前日比0人の694人(前日比+0.00%)。
・8位 福岡県    前日比+1人の655人(前日比+0.15%)。
・9位 愛知県    前日比+1人の503人(前日比+0.20%)。ここまでが感染者数500人以上。
◆以下、10位は京都府(356人)。11位は石川県(283人)。12位は富山県(222人)。13位は茨城県(168人)。14位は広島県(165人)。15位は岐阜県(150人)となっているが、その中で富山県と広島県は特定警戒都道府県に指定されていない。
◆特定警戒都道府県から外れている34県の事業者は、新型コロナウイルスの感染防止をにらみ経済活動の再開を探ることになるが、事業を再開しても手探りの状況が続くことになりそうだ。

【表2】を見ていただきたい。新型コロナウイルスの地方別の感染者数推移表である。
~この表から見えるもの~
◆関東地方(7都県)の感染者数は前日比+48人の8,397人で、全国シェアは53.41%となっており、過半数を超えているのがわかる。
・東京都のシェアは31.72%と圧倒的に高い。以下、神奈川県(7.58%)。埼玉県(6.15%)。千葉県(5.60%)。茨城県(1.07%)。群馬県(0.94%)。栃木県(0.36%)。栃木、群馬、茨城の3県を除く4都県のシェアは51.05%で、50%を超えている。
・感染者数から見えるのは、関東7都県のうち、東京都・神奈川県、埼玉県、千葉県の4府県の人的・経済的な結びつきが深いのが読みとれる。
◆中部地方(10県)の感染者数は前日比+6人の1,611人で、全国シェアは10.25%。うち愛知県のシェアが3.20%と高いのが目に付く。
◆近畿地方(2府4県)の感染者数は前日比+11人の3,050人で、全国シェアは19.40%。うち大阪府のシェアは11.13%と高い。次が兵庫県(4.41%)。京都府 (2.26%)となっており、近畿地方では、この2府1県の人的・経済的なつながりが深いのがわかる。
◆九州地方(7県)の感染者数は前日比+1人の852人で、全国シェアは5.42%。うち福岡県が4.17%と圧倒的に高い。九州経済の人的・経済的なつながりは福岡県に一極集中しているのが読み取れる。
<まとめ>
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、個人経営・中小企業だけでなく上場企業にも広がっている。特に製造業、観光業は大きなダメージを受けるものと予想されている。
 政府は大企業のサプライチェーンを支える中小企業が経営破綻しないよう、実質無利子、無担保の融資で中小企業を支える危機対応業務を打ち出しているが、はたして、人命尊重か。経済優先か。東京を除く地域経済は破綻の危機に直面しており、これからコロナショックが直撃している九州経済の現状を検証していくことにしたい。

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【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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