経営者の真価が問われる時~「アフターコロナ」に乗り遅れないために(前)
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世界的企業の1つであるシティグループ証券(株)の元取締役副社長として、金融市場の本場米国で業界に携わってきた那珂通雅氏。那珂氏は同社を退任後、日系ベンチャー企業が海外進出することが、日本が他国と戦っていくためには必要であると感じ、投資会社であるボードウォーク・キャピタル(株)を設立。(株)ビジョン、(株)アイスタイル、(株)ジーニーなど、日本を代表する成長企業の社外取締役を務めながら、自らの豊富な経験に基づいて行われるエンジェル投資や投資先の良きアドバイザーとして経営支援をしている。コロナ禍によって大規模な経済不況が懸念される昨今、バブル崩壊、リーマン・ショックなどの金融危機を乗り越えてきた那珂氏に経営者に問われる対応について聞いた。
―ボードウォーク・キャピタル(株)を設立したきっかけを教えてください。
那珂氏(以下、那珂) 創業するまで21年間は、ソロモン・ブラザーズアジア証券(株)の債券営業やシティグループ証券(株)の取締役副社長として、外資系金融の世界に身を置いてきました。2010年に仲間と創業したストームハーバー証券(株)は、今では7カ国に展開するグローバル企業になっています。08年にリーマン・ショックで、金融業界は先行きに希望と不安が入り交じっていました。国内の金融業界は今後大きく成長することはないと実感し、シティグループ証券時代の退職金を基に、ベンチャー企業にエンジェル投資を始めたのがきっかけです。投資したなかには売上や時価総額が50倍から100倍に拡大する企業もあり、投資の機会がさらに広がっていきました。そこでベンチャー企業のエンジェル投資に特化して事業化しようと考え、16年にボードウォーク・キャピタル(株)を設立しました。
ボードウォーク・キャピタルのコンセプトは、「グローバルに事業展開する企業を支援する」ことです。米国で外資金融に務め、米国経済市場を把握している経験を生かして、海外展開に特化したエンジェル投資事業とともに、社外取締役や顧問として海外事業などをサポートするアドバイザリー事業をしています。10年前からベンチャー企業を育てるインキュベーション事業も行っており、数々のスタートアップ企業の上場やM&Aを実現させてきました。
―那珂社長にとって、ベンチャー企業とはどのような企業でしょうか。
那珂 私が考える「ベンチャー企業」とは、創業して間もないスタートアップ企業にとどまりません。創業して50年、100年が経っていても、新しいことにチャレンジし続ける企業はいつまでもベンチャー企業だと考えています。もちろん、若い経営者が今後の日本を背負っていく後押しがしたいという思いはありますが、60代以上の経営者の方でも強い向上心をもって海外進出や米国市場での上場などを目標とされている方は大勢います。経営者の年齢や企業継続年数にとらわれず、先を見据えたビジョンと綿密な計画、そして飽くなき情熱をもって邁進している企業をベンチャー企業としています。
(つづく)
【麓 由哉】
<COMPANY INFORMATION>
代 表:那珂 通雅
所在地:東京都渋谷区神宮前3-7-4
設 立:2016年7月
資本金:2億円
U R L:https://www.boardwalkcapital-inc.com/関連記事
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