コロナで明暗 サイバーが電通の時価総額を上回る
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5月20日、(株)サイバーエージェント(東証一部、藤田晋代表)の時価総額が、終値ベースで(株)電通グループ(東証一部、山本敏博代表)を初めて上回った。サイバー社の6,713億円に対して電通は6,670億円。ただし電通の売上構成の大半が広告業であるのに対して、サイバー社は6割弱であり、広告業界の覇権が変わったわけではない。
電通は、言わずと知れた広告業界の巨人「世界の電通」、サイバー社はネット広告大手だ。広告業界は2019年にネット広告市場が2兆円を突破し、2.1兆円規模にまで拡大。1.8兆円規模に縮小したテレビ広告市場を逆転している。
電通は、海外売上の比重が大きく、コロナショックで業績に大きな影響を受けているのに対して、好調なゲーム事業を背景にネット企業のサイバー社が時価総額を逆転したことは、デジタルシフトが進む現在を表す象徴的な出来事だ。
下記は両社の近年の決算推移だ。規模感は圧倒的に電通だが、資本効率でサイバー社が上回っているところに、ネット企業の優位性が表れている。コロナショックで世界経済の停滞が予想されるなか、電通には厳しい局面が続き、サイバー社には追い風が吹く状態が続くだろう。
【緒方 克美】
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