2024年11月19日( 火 )

自民党・二階俊博幹事長への単独インタビュー(2)

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 9月30日、二階俊博幹事長は自民党総本部の幹事長執務室で中国経済新聞のインタビューを受けた。その内容を紹介する。

(聞き手:(株)アジア通信社代表取締役社長・徐静波氏)

 徐 幹事長就任期間が二階先生の師匠である田中角栄氏を超え、自民党歴史上最長の幹事長となられ、1,500日余りとなりましたことをお祝い申し上げます。

 二階 ありがとうございます。確かに任期は最長ですが、もちろん私が勝ち取ってきたものではありません。

 徐 安倍首相時代、二階先生は4年間幹事長を務められました。二階先生の指導の下この4年は自民党のもっとも安定した4年間でありました。

 二階 昔は、毎日、幹事長事務所の隣の部屋に、各種問題を反映する20~30人の議員がいつも列をなして待っていましたが、私か幹事長をしたこの数年はそのような状況はなくなり、現在では、隣の部屋には1人の議員も待っておらず、静かです。党内が安定しているので、首相は安心してられるのです。

 徐 一般の議員は、二階先生に会ったらきっと緊張し怖いと感じるのではないでしょうか。

 二階 私はそんなに怖くはないでしょう?確かに一部の議員は私と会うと緊張してしまう人がいますが・・・。

 徐 二階先生はどのような理由で菅義偉氏の新首相就任への支持をしたのですか。

 二階 彼より適任な人がいなかったのです。2018年に私は菅義偉氏と一度マスコミの対談で、「菅義偉氏は首相になれる政治家です」と言ったことがあります。その時、彼は安倍内閣の官房長官で、私が党の幹事長をしていました、この数年来、我々の協力関係には相当な暗黙の了解があり、彼は非常に有能な実務者だったです。

 今年6月から、安倍首相の健康問題が出現したため、我々は何度も会合し情報交換し、安倍氏の後の党総裁と新首相の人選問題について討議しました。安倍首相が辞職を表明した2日目の晩に、私は菅氏と再度会って、「二階派」議員は選挙で彼を全力で支持する態度であることを正式に伝えました。私はこの態度が、彼の選挙戦への参加決心を固めさせたものだと思います。

 徐 二階先生は、菅首相はどのような政治家という印象をおもちですか。

 二階 彼は農民出身の息子で、非常に真面目で嘘をつかない人として仕事を行い、非常に率直で真剣であり、非常に普通の人です。彼は中国人民が好むような、そんな政治家ではないかと私は思います。

 徐 菅義偉首相は「一過性首相」で、来年10月で終わりになるかもしれないという人々もいます。二階先生は、菅氏は長期執政の首相になると思いますか。

 二階 菅義偉氏は当然長期執政の首相になるでしょう。理由は簡単です。彼の仕事ぶりには非常な柔軟性があり、最後まである種の謙虚、低姿勢でまっすぐ人に対処し、中道原則を厳守する人であるためです。

 徐 菅首相は中国と直接的な接触は多くありませんが、中国の世論では、菅義偉首相就任後、日中関係が後退するのではないかとの懸念があります。

 二階 心配はしていません。菅政権は日中関係問題で偏った歩き方はしません。これは正直な話ですが、私は菅首相が中国といかにうまく付き合うかを掌握するよう援助します。

 徐 二階先生のその言葉を聞いて、私は非常に安心しました。しかし、日中両国の間には未解決の案件がいくつかあります、たとえば尖閣諸島問題や経済協力問題です。

 二階 日中両国は引越しができない隣人です。隣人であるから容易に各種の問題が発生するので、家庭の主婦やお婆ちゃんのように、話が合わなければ喧嘩になるのと同じですから、非常に緊張してはいけません、事実に即していけは良いのです。

 外交も一緒で、どんな国家に対しても、皆が相互に誠実に対処しあうことで、自分の心のなかに思うことを相手側に話すことを願って、お互いに理解し合うことが肝心です。一番ダメなのは相手を理解せず、非難することであり、かえって問題が容易に発生します。

(つづく)


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