2024年11月22日( 金 )

負けを認めないトランプ大統領に見る精神的若さの可能性と限界(1)

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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年11月13日付の記事を紹介する。 


 アメリカの大統領選挙はなかなか決着が着きそうにない。74歳の現職のトランプ大統領も、間もなく78歳になるバイデン前副大統領も、ともに「勝利宣言」をするという前代未聞の混乱ぶりである。7,600万票を獲得したバイデン氏。トランプ氏は7,100万票である。いずれも歴代最高得票数に他ならない。言ってみれば、アメリカは「バイデン国」と「トランプ国」に2分されたような状況だ。

 トランプ大統領やその支持者に言わせれば、「バイデン陣営は郵便投票の集計で不正な操作を行い、票の水増しをした。正当な票のみで比べれば、トランプ票が圧倒していた」とのこと。一方のバイデン陣営によれば、「コロナ禍の下では郵便投票は命を守る上で必要な対策だった。多くの集計者が慎重に対応しており、不正が行われることはありえない。トランプ大統領は速やかに敗北を認め、政権移行を図るべきだ」ということになる。

 どちらの陣営も一向に譲歩する気配が見えない。このままでは、決着が着かないどころか、対立する両陣営が「力づく」で相手側に勝利を認めさせようとし、流血騒ぎに発展しかねない。すでに多くの国民が最悪の場合を想定し、「内戦が勃発するのでは」と、危惧の念に囚われ始めている。

 というのは、投票日であった11月3日以降、各地で両陣営の支持者たちが非難合戦を始め、時には銃で武装した集団がにらみ合うような事態が起こっているからだ。Googleの前CEOのシュミット氏などは、「こんなアメリカにはいたくない」と、早々に地中海のキプロスの市民権とパスポートを手に入れ、アメリカとの決別宣言をする有り様。

 実は、「その後に続け」とばかり、ヨーロッパやカナダに移住するアメリカ人が増えている。まさに、「自由で豊かな国」として、世界から移民を引き寄せていたアメリカが内部分裂と国家破綻の瀬戸際に追い込まれていると言っても過言ではないだろう。

 とはいえ、来年1月20日に無事就任できれば史上最高齢の大統領となるバイデン氏。また、敗北を認めたとしても24年に再度挑戦する可能性を秘めたトランプ氏である。その時点では78歳の再チャレンジとなる。要は、78歳でも大国の最高指導者の地位を争う選挙という戦いに挑めるというわけだ。

※続きは11月13日のメルマガ版「負けを認めないトランプ大統領に見る精神的若さの可能性と限界(第1回)」で。


著者:浜田和幸
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