2024年11月21日( 木 )

「食卓に小さなHAPPYを!」 『王道』の唐揚げで快進撃の「博多とよ唐亭」

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(株)喰道楽

万人に愛される味付けで 目指すは「福岡のソウルフード」

 老若男女問わず万人に愛される、惣菜メニューの代表格「唐揚げ」を武器に、福岡都市圏から破竹の勢いで店舗網を拡大しているテイクアウト専門の唐揚げ店「博多とよ唐亭」。福岡市周辺に住む人であれば一度は目にしたことがあるであろう、指差しポーズを決めた紺の調理衣姿の男性の姿と、「げんこつからあげ弁当」の文字が躍る赤い看板が特徴的な、あの店だ。

2020年2月にオープンした38店目となる「今泉店」
2020年2月にオープンした38店目となる「今泉店」

 同店の「げんこつからあげ」の魅力は、何といっても揚げ立てアツアツ&ジューシーさだ。名前の通り「げんこつ」形に整えられた唐揚げにかぶりつくと、サクサクの衣に包まれたモモ肉から、ジュワッと肉汁がしたたり落ちる。ニンニク不使用でありながらもヤミツキになり、かつ毎日飽きずに食べられるような絶妙な味付けは、綿密に調整された自社オリジナルのレシピによるもの。

 また、テイクアウトという特性上、たとえ冷めてもサクサクの食感で美味しく食べてもらえるよう、味付けだけでなく揚げ方にも工夫が凝らされている。現在、主力の「げんこつからあげ弁当」と「チキンてりマヨ弁当」のほか、気軽におかずの一品に加えてもらえるよう、それぞれの商品を単品でも販売。それぞれ異なる層からの需要があり、弁当と単品との売上比率はほぼ半々だという。

 同店を展開しているのは、福岡県粕屋町に本社を置く(株)喰道楽。代表取締役を務める豊永憲司氏は、看板でポーズを決めているあの人だ。

 「実は、今でもげんこつからあげの味付けのレシピは、日々改良を重ねながら、気付かれないレベルでブラッシュアップを続けています。目指しているのは、小さな子どもからご高齢の方まで、皆さまに愛される『福岡のソウルフード』のような唐揚げ。たとえば、当店の唐揚げを食べて育った子どもが、大人になって福岡を離れても、『やっぱり福岡に帰ってきたら、とよ唐亭の唐揚げを食べたいよね』と思ってもらえるようになれば、本当に嬉しいですね」(豊永社長)。

 同店では新たな商品開発にも精力的で、これまでにもエスニックな辛さのアジア屋台風「秋辛スパイス」や、香味油を効かせた甘酢風味の「中華香味」、自家製のコチュジャン旨辛ダレの「赤辛」、地元の人気ラジオ番組とのコラボメニュー「ガウ唐」など、数々の期間限定商品を販売している。ただし、むやみにメニュー数を増やすことはなく、期間限定商品はあくまでも2種類のレギュラー商品の+αの選択肢という位置づけだ。

信頼できる「仲間」とともに 会社を成長させていきたい

 実は豊永社長は、現在の業態にたどり着くまでにさまざまな事業に挑戦し、そして失敗を重ねてきた。これまでに挑戦してきた事業は、内装工事、バー経営、クレープ屋、ミートパイ屋、テイクアウトの焼鳥店など多岐にわたり、数々の失敗を重ねるなかで、自分なりの事業戦略を練り上げてきた。

 「これまでの経験を基に、お客の利用頻度が高く、かつ将来的に100店舗の展開が見込めるような飲食業態のビジネスモデルを模索した結果、目先の利益を追うのではなく、お客さまに喜ばれる『王道』を突き進んでいこうという結論に至り、万人に愛される唐揚げ店という業態に行き着きました」(豊永社長)。

 まさに七転び八起きの精神で、成功するまであきらめずに挑み続けたことで、豊永社長および同社の今があるといっても過言ではないだろう。

 そんな豊永社長だからこそ、求めている人材について尋ねると、「採用にあたって重視しているのは、『仕事力』よりも『人間力』です」と即答する。仕事のスキルは、最初はできなくとも、やっていくうちにうまくできるようになっていく。それよりも「人として信頼できるか」「この人と一緒に働きたいか」「理念に共感し、ともに頑張ってくれるか」という『人間力』のほうが大事だという。

 そんな同社がリクルーティングに際して掲げているのは、「大きな会社より、大きくなる会社で。」というフレーズ。単なる社員ではなく、一緒に会社を成長させていく『仲間』を増やしたいという考えだ。

 「設立から11年が経ち、店舗数も40店舗以上に拡大してきましたが、まだまだ創業期の気持ちを忘れることなく頑張っていきたいと考えています。そのためにも、『食卓に小さなHAPPYを!』という当社の理念に共感し、『おいしい唐揚げでお客さまに喜んでもらえる』ことを楽しいと感じられる仲間を集めていきたいと思っています」(豊永社長)。

福岡から全国、そして海外へ 夢は100号店目を米・NYに

 創業以来、同社がずっと掲げているのは、「100店舗出店」という目標だ。その達成に向けて、日々味の研究を怠らず、新たな出店や新規ファン獲得のための戦略を練り続けるほか、各店舗を支える人材育成にも余念がない。

 現在は福岡都市圏を中心に、佐賀県や熊本県などを含めて計40店舗以上を展開しており、今後も独自の出店戦略に基づき、九州、そして日本全国へと店舗網を拡大していきたい考えだ。さらに、海外進出も視野に入れており、コロナ禍で延期を余儀なくされているものの、海外1号店は台湾での出店を予定している。その後も台湾を足がかりに、現地の食の嗜好などを汲み取りながら、アジア圏を中心とした店舗展開を考えている。

 そして、記念すべき100号店目を「アメリカ・ニューヨークに」というのは、豊永社長および同社がずっと抱き続けている夢だ。このNY進出の夢を成し遂げた暁には、同社は多くの仲間と一緒に、さらに新たな大きな夢に向かって躍進していくだろう。

 「食卓に小さなHAPPY!を」を理念として掲げ、アツアツ&ジューシーな唐揚げで多くのファンを魅了しながら、積極展開で快進撃を続けている同社。夢の米・NYでの100号店目に向けて、そして「福岡のソウルフード」となる唐揚げブランドの確立に向けて、一歩、また一歩と着実に歩を進めている。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:豊永 憲司
所在地:福岡県糟屋郡粕屋町若宮2-22-14
設 立:2009年9月
資本金:1,000万円
TEL:092-939-6677
URL:http://toyokara.com


<プロフィール>
豊永 憲司
(とよなが けんじ)
1970年8月、福岡県志免町出身。大濠高等学校卒業。20代のころより内装工事業、バー、クレープ屋、ミートパイ屋、テイクアウトの焼鳥屋などの数々の事業に挑戦・失敗するなかで自分なりの事業戦略を編み出し、現在のテイクアウト専門の唐揚げ店「博多とよ唐亭」に行き着いた。2007年の個人創業を経て、09年9月に(株)喰道楽を設立し、代表取締役に就任。

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