2024年12月23日( 月 )

ストラテジーブレティン(269号)~2021年は短期、中期、長期、超長期循環上昇の起点になる~今年こそは大相場に賭けよう(7)

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 NetIB‐Newsでは、(株)武者リサーチの「Bストラテジーブレティン」を掲載していく。
 今回は2021年1月1日付の記事を紹介。

(6) 日本の有利なポジション、日本株式が世界のベストパフォーマーになる可能性

上記4循環の上昇は日本株式に有利に働く

 前回までに述べたように21年の世界経済環境は、日本株にとっても大きな追い風となる。下記の4つの循環の波は、いずれも日本にプラスに作用しよう。

 (1)日本株は世界でもっとも景気感応度が高く、世界的景気拡大のなかでグローバル企業の企業業績好転が見込まれること。

 (2)菅政権の改革姿勢と財政出動が評価されること。とくにアベノミクスの後半に経済失速を招いた緊縮財政路線(消費税増税とプライマリー財政赤字削減)が棚上げされ、73兆円補正予算に代表される大規模な財政拡大路線に転換していることは、外国人投資家を引き付けるだろう。MMTは本来、日本にもっとも必要なことであったが、ようやく実現した。MMTは日銀の政策自由度を復活させる。

 (3)デジタルネット化の主戦場になるとみられる、サイバー・フィジカル・インターフェースは多様な技術基盤をもつ日本に有利。

 (4)家父長的関係が残り、同調圧力が色濃く残っている日本の働き方、企業組織改革、はデジタルネット化で変革を余儀なくされる(日本の弱点が改革される)、など。

グローバル投資家は日本株式の比重引き上げに着手した

 昨年11月の急騰、12月末の急騰など、日本株式のパフォーマンスは欧米市場を凌駕している。また米国大統領選挙を前後して米国株式がとくに大きく乱高下したなかで、日本株式には押し目らしい押し目がなく、突出した安定性が続いている。日本株式を鉄火場にしていたボラティリティはCovid-19以降、先進国なかでもっとも低くなった。日本株式を投機の素材として扱う裁定ポジションが大きく低下したままなのである(図表19参照)。

 またドル安が進行しているが、対日本円ではドルの下落はごく限定的、韓国、台湾と比べて円高はマイルドである。そもそも日本株は割安、かつ企業の財務安定性が強固であり、いつ見直し買いが入ってもおかしくない状況にあった。その超割安是正の株式バリュエーション革命が、「Covid-19後」に展望される世界同時好況をきっかけとして、起き始めているのかもしれない。

2000年代3度目の急騰場面に

  2000年代以降の3回目の上昇相場が始まっている可能性が濃厚である。05年8月から始まった小泉郵政解散相場は、最初の5カ月(06年1月まで)で42%の上昇となった。12年11月から始まったアベノミクス相場は、最初の6カ月(13年5月まで)で66%の上昇であった。今回が2000年以降3回目の大相場とすれば、菅政権成立時、20年9月2万3,000円を起点として、30%上昇なら3万円、40%なら3万2,200円、50%上昇なら3万4,500円が視野に入ってくる。

(了)

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