日経平均株価3万円台回復~前日比+564.08円の3万84円15銭
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内閣府が週明け15日に発表した2020年の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前年比4.8%減となり、リーマン・ショックの影響があった09年(5.7%減)以来、11年ぶりのマイナス成長となった。統計がある1955年以降では、2009年についで2番目に落ち込み幅が大きかった。新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外で経済活動が抑制されたことが、記録的な景気後退の要因と見られている。
【表1】を見ていただきたい。15日の東京株式市場における日経平均株価の推移表である。GDPのマイナス発表を受けて、同日の日経平均株価に注目が集まったが、株価上昇の動きに影響を与えることはなかった。
~この表から見えるもの~
◆日経平均株価は前日比+564円08銭の3万84円15銭(前日比+1.91%)で今日の取引を終えている。終値が3万円を上回るのはバブル経済期の1990年8月2日以来、約30年半ぶり。日米欧が新型コロナウイルス感染拡大を受けて景気対策で進める大規模な金融緩和や財政出動が追い風となった。昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値がプラス成長となったことを好感する買い注文も入ったと見られる。◆【表2】を見ていただきたい。九州地銀(FG・FHを含む)の株価も久しぶりに全銘柄が上昇に転じている。
・ふくおかFGは前日比+54円の2,043円(前日比+2.71%)。
・九州FGは前日比+4円の445円(前日比+0.91%)。
・西日本FHは前日比+27円の706円(前日比+3.98%)。
・北九州銀行を傘下に置く山口FGは前日比+13円の650円(前日比+2.04%)。
・大分銀行は前日比+45円の2,144円(前日比+2.14%)。
・宮崎銀行は前日比+31円の2,262円(前日比+1.39%)。ただ、同行だけが3月末の株価に対して▲123円(3月末比▲5.16%)と下回っている。
・佐賀銀行は前日比+5円の1,382円(前日比+0.36%)。
◆9月末の株価を上回っているのはふくおかFGと佐賀銀行の2行。それに対して九州FG・西日本FH・山口FG・大分銀行・宮崎銀行の5行は下回っているのがわかる。<まとめ>
新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が再発令されており、企業業績の先行きには不透明感が漂っている。景気実態と懸け離れた株価上昇で相場の過熱感が一段と高まっているように見える。日本経済は、再び緊急事態が宣言されたことが響き今年の1~3月期のGDPはマイナス成長に陥るとの見方が強く、企業活動への打撃も警戒されている。日経平均株価(終値)は3万円台を回復したが、はたして、明日以降も九州地銀の株価も含め順調に推移する動きが見られるのだろうか。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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