「シンプル」に拡大するモダンパラッツォ 住居ベースに多様な新規事業も続々
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(株)モダンプロジェ
インカムとキャピタルを両立 モダンパラッツォとは
2012年3月の設立から投資マンション・モダンパラッツォを供給してきた(株)モダンプロジェは、設立から8年半で100棟(木造含む)の引き渡し実績を誇る。
入居者がマンションに求めるものは、立地と賃料だろう。福岡市内中心部で供給されるモダンパラッツォは、周辺の物件と比べて家賃設定が高めに映るはずだ。しかし、モダンパラッツォでは、すべての物件で「敷金・礼金ゼロ、退去時の清掃費定額」といった、初期費用や不測の費用がかからない仕組みを採用。このような「初期費用が安く」「わかりやすい契約」が、入居者から好評を得ている。
モダンパラッツォの基本理念は「インカムとキャピタルの両立」だ。安定した賃料収入だけでなく、売却という選択肢も選べるのは都市の中心部に物件を供給している強みであり、不動産価格が高騰するなかでは、新築時よりも高い価格で売却できた事例も少なくない。それを可能にしたのは、用地選定と物件のプランニングだ。マンション経営において、収益低下の要因は家賃下落だけではない。建物の品質確保のためには、数年から数十年に一度、必ず修繕の機会が訪れる。さらに、市況悪化により物件の値下がりというリスクもある。そのときに、賃料の値下げや売却という選択肢を検討できるのだ。都心部の居住ニーズが高いエリアにモダンパラッツォが集中するのは、リスクを避けるためでもある。
住居、オフィス、ホテル 多様な運用で事業拡大
マンション開発で培った企画力を応用し、建物のポテンシャルを最大限に活用する方法を模索してきた同社は、19年7月には新規事業のホテル運営を開始。「MPホテルズ 長崎水辺の森(81室)」を長崎市にオープンした。
また、20年9月には、福岡市・西中洲でも「MK HOTELS西中洲(26室)」を開業。新型コロナウイルス感染拡大の最中の開業となったが、ホテル開業を待たずに1階と2階部分のテナントは決定している。マンションへのコンバージョンが可能な仕様ではあったが、ハレノガーデン イースト&ウエスト(天神中央公園)開業で注目される西中洲エリアという立地を生かして、当初の予定通りホテルとして開業した。
賃貸マンション・ビジネスワン六本松(福岡市・六本松)では、ウィークリーマンション事業を開始した。洗濯機・乾燥機付きのコインランドリー、フィットネスルーム、サウナなどの付帯設備も備える。複数戸での契約も可能で、企業やプロジェクトごとに複数人のグループで利用することもできる。1階には食堂「六本松食堂」があり、昼食から夕食まで、入居者はもちろん外部からの利用も可能だ。
20年8月には、「モダンプロジェのお部屋さがし 薬院店」を、福岡市の幹線道路・城南線沿いのビル1階にオープンした。主に学生向けの賃貸仲介を手がける福岡ログ不動産(福岡市)をグループ傘下に加えて以降、長崎ログ店(長崎市)、沖縄ログ店(那覇市)を相次いでオープン。オフィス、ホテルのほかマンスリー、時間貸し、学生特化型など立地やニーズに合ったサービスを提供してきたが、薬院店では主に、ウィークリー・マンスリーマンションや法人向け社宅の案内を行う。さらに、同社が得意とする資産運用の相談や住宅のリフォームに関する相談もできる。
さらに、「不動産に携わる仕事をしているので、地域や社会への貢献は続けていきたい」(別府社長)として、ラジオ番組の企画でスタートアップ支援やこども食堂へのスポンサー活動など、CSR活動にも積極的に取り組む。今年予定していた第9回全九州学童軟式野球大会はコロナ禍で中止となったが、大会特別協賛社として、「一生懸命練習していた子どもたちにエールを送ろう」(モダンプロジェ)と新聞広告を掲載した。紙面では、昨年の優勝チームである沖縄県の「友寄ムムクラーズ」に出演協力を依頼し、同チームのキャプテンが代表して今の思いを伝えた。
拡大しながらも組織化に手応え
不況に強い資産として知られる賃貸マンションは、コロナ禍でもその強みを発揮している。なかでもモダンパラッツォは、周辺の物件と「競合しない」企画と運用で投資家からの信用を得てきた。事業の幅を広げるため、リフォーム会社などのグループ化を続けてきた同社だが、組織基盤ができた会社については責任者に株式を売却した実績も複数ある。つまり、子会社化した会社の株を手放すことで、グループ会社という強いつながりから協力会社という緩いつながりに移行しているのだ。「スタートアップ支援の一環としても考えています。資本関係はなくても、同じ釜の飯を食った仲ですし、非常に頼りになる存在に育ってくれています」と別府大力社長は話した。
管理戸数の増加やグループ会社の増加によって、モダンプロジェグループの規模も大きくなっており今後は、住居、オフィス、ホテルに続く新規事業も検討しているようだ。「事業の幅が広がったことで、それぞれの役割も明確化してきました。以前に比べて組織としても強くなってきたと実感しています。何より物件の企画や新規事業に集中して取り組める組織環境になってきたことを、大変ありがたく感じています」(別府社長)。
別府社長は、「マンションは、ゼネコンや専門工事業者を始め多くの人が集まることで、やっと完成させることができる裾野が広い事業です。また、不動産仲介業者や建物管理業者、金融機関など、さらに多くの人が集まってマンション業を成立させることができます。みんなが儲かる商品をこれからも開発していきたいですね」と、創業時から変わらない思いを語った。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:別府 大力
所在地:福岡市中央区大名1-7-3
設 立:2012年3月
資本金:300万円
TEL:092-737-6111
URL:http://modern-projet.com
<プロフィール>
別府 大力(べっぷ たいし)
1975年、福岡市出身。大手不動産仲介会社や資産活用コンサル会社を経て、2012年3月に(株)モダンプロジェを設立し、代表取締役に就任した。物腰の柔らかさから周囲の人間を惹きつける魅力をもつ。法人名
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