【飲食事業者の独立心、自尊心を育てよ！（5）】地域に愛される店であり続ける～「酒楽遊膳えびす」警固本通り店

　酒楽遊膳えびすは福岡市中央区の警固本通りに店を構え、看板メニューである「博多新おでん」のほか、玄界灘で獲れた新鮮な海鮮料理などを提供している。

　「博多新おでん」は、具を鶏出汁で炊き込んだ水炊き風のさっぱりした味付け。具に「とろろ」をかけて柚子コショウを付けるのが、おすすめの食べ方。

　もう1つの看板メニューである海鮮料理は、玄海島・相島・対馬・壱岐などの漁師で構成される玄界灘漁師会から新鮮な魚介類を仕入れている。同店の名物「ごまかんぱち」をはじめ、「かんぱちの刺身」「ごましまあじ」「本まぐろの刺身」などバラエティー豊かな料理が人気だ。

　コロナ禍により同店は昨年の4月27日から5月26日までの間、完全休業を余儀なくされた。現在は時短営業要請が出ているため、午前11時30分から午後9時までの営業となっている。

　店主の小坂征由氏は「コロナ前と現在を比べると、お客さんは3分の1ほどです。これまで通りのやり方ではお客さんが来ませんので、店頭での焼き芋販売、おでん、刺身のテイクアウトも始めました。焼き芋販売などは従業員のアイデアです。コロナ禍によって従業員たちの結束がより一層強まったと感じます」と手応えを感じている様子。「うちは地域の方々に愛されるお店を目標に営業を続けてきました。コロナ禍でもこの姿勢は変わりません。そのためにもお店は可能な限り開け続け、地域の方々とつながり続けていきたいと考えています」と話している。

【新貝　竜也】