2024年11月22日( 金 )

自民党、外国人労働者の支援や受け入れ推進など政府への提言を議論

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 自民党外国人労働者等特別委員会は5月28日、在留外国人の支援強化を柱とする政府への提言(案)について議論した。提言(案)の主な内容は以下の通り。

1. コロナ禍における外国人への支援

自民党本部
自民党本部

 コロナ禍で外国人の帰国希望滞留者の解消に至らず、特定措置により在留する外国人が6万人以上となっていることを受けて、下記の事項を政府に申し入れる方針を示した。

 ・日本で生活する実情やニーズに沿った各種支援策の実施。
 ・民間の外国人支援団体による支援の安定化・継続化を目的とした財政支援。
 ・各種支援策の情報について、民間支援団体による多言語化や一元的な取得を可能に。
 ・外国人の感染拡大防止に向けて、生活習慣指導を含めて啓発を強化。
 ・外国人の住所などを確実に把握し、ワクチン接種の案内を届ける措置の実施。

2. 円滑で適正な外国人材の受け入れと共生社会実現のための環境整備

 外国人材が安心して活躍できる環境整備を進め、差別がなく活躍できる共生社会の実現を目指して、以下の(1)~(4)を政府に申し入れる。

(1)特定技能外国人材の受け入れの推進など

<出入国在留管理庁>
 ・特定技能に関する二国間の協力覚書(MOC)作成国との協議を進め、情報共有や試験の実施などを実現。

<政府>
 ・コンビニ、スーパーマーケット、運輸、産業廃棄物処理の各分野で、特定技能外国人の参入、技能実習制度の対象職種への追加を含めて検討。
 ・人出不足のため、在留資格「特別活動」のさらなる活用を議論。
 ・技能実習生の失踪・不法滞在の防止対策、人権侵害対策、偽装書類対策。

(2)国際金融センターの実現に向けた高度金融人材の受け入れ推進

 国際金融センターとして、海外、とくに香港からの高度金融人材の受け入れ促進、同人材の生活・ビジネス環境改善による誘致促進のため、帯同する家事使用人の雇用要件を緩和するなど在留資格上の優遇制度の拡充を決定。すでに東京・大阪・神戸・福岡の自治体が誘致を進めており、制度の周知・広報を含めて速やかに実施する。

(3)日本語教育の推進

 ・海外で教育機関を設立するなどにより、日本語の普及を目指す民間の取り組みを支援し、日本での就労希望者の人材を育成。
 ・外国人の日本語習得の受講支援。
 ・日本語教育機関の事業継続のため、教職員を含めた財政的支援。
 ・日本語教育機関の類型化などの検討。
 ・日本語教育機関の学生に対する入国制限の早期緩和を検討。早期に緩和されない場合は、交付済み在留資格証明の有効期限を延長。

(4)共生社会実現のための受け入れ環境整備

 ・外国人が活躍できる共生社会を実現するための中長期的な行動計画を策定。
 ・地方公共団体からの要望を踏まえた外国人受入環境整備交付金の対象範囲の見直し。
 ・コロナ禍で地方創生臨時交付金による外国人技能実習生などの受け入れに関する掛かり増し経費支援の周知・広報を実施。

3. デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

 利便性の向上、業務継続性を確保するための環境整備の強化として、下記を政府に申し入れる。

 ・在留申請など行政手続きのオンライン化を推進。
 ・マイナンバーカードと在留カードの一体化。
 ・マイナンバーの識別番号の活用などにより、在留・就労情報を一元的に把握できる仕組みの構築を検討。

関連記事