山岸、幻のゴールに泣く アビスパ5連敗 福岡0-1G大阪
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サッカーJ1リーグのアビスパ福岡は17日、ホームのベスト電器スタジアムにガンバ大阪を迎えて第21節の試合を行った。
ガンバ大阪は、シーズン開幕直後の3月に選手とスタッフから新型コロナウイルス陽性が確認され、およそ2週間活動中止。さらにACL(アジアチャンピオンズリーグ)もあり、非常にタイトなスケジュールで試合をこなしてきた。ここまでJ1リーグ戦は15試合を消化して3勝5分け7敗の勝ち点14、降格圏内の18位に沈んでいる。
一方のアビスパは開幕当初の好調ぶりが影を潜め、リーグ戦4連敗。リーグ戦は21試合消化して8勝5分け8敗の11位となっている。ここ数試合は試合開始直後の失点を挽回できずにそのまま敗戦につながるゲームが多く、序盤の失点回避が大きなテーマとなる。7月13日には湘南ベルマーレからMF中村駿を完全移籍で獲得。早速のデビューも期待されたが、この試合ではベンチ外となっている。
両チームとも勝ち点が欲しいこの一戦、立ち上がりはややスローペース。アビスパは中央に陣取るFWフアンマ・デルガドに当ててから両サイドへの展開を狙う。G大阪は中盤底のMF倉田秋から前線のFW宇佐美貴史に預け、宇佐美の個人技でアビスパDF陣を切り崩そうと試みるが、両チームともに決定機には至らない。前半は0-0で終了し、アビスパは課題だった前半での失点を防ぎきる展開となった。
後半、ペースを握ったのはアビスパ。前線からプレスをかけてボールを奪うと、右サイドのMFジョルディ・クルークスがDF湯澤聖人とのコンビネーションで敵陣深く切り込むシーンが増え、得意の左足を駆使したカットインやクロスでG大阪ゴールを脅かす。対するG大阪は、元日本代表GK東口順昭、日本代表DF昌子源らが懸命に対応し、ゴールを許さない。
67分、ついにアビスパが決定機を迎える。FW山岸祐也はペナルティエリア内左側でボールを受けると、中央から侵入してきたFWフアンマにパス。フアンマがワンツーで折り返したボールをコントロールした山岸がそのまま右足を振り抜くと、GK東口が弾いたシュートはそのままゴールネットを揺らした。
久しぶりの先制点にアビスパイレブンもベススタも大いに沸いたが、福島孝一郎主審はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定中のポーズ。VARの結果、山岸がフアンマのパスを受けた際に、左手がボールに触れたと判定され、ゴールは取り消しとなってしまった。
スタジアム内が騒然とするなか、アビスパは今度こそ1点をもぎ取るべく攻勢を強める。MFクルークスの直接フリーキックは枠を捉えられず、途中出場のMF金森健志は再三ドリブルで切り込むが、あと一歩のところでゴールが遠い。
78分、G大阪は3枚替えを敢行するが、これが功を奏する。85分、交代で入ったMF奥野耕平がゴール前に送ったボールを、福岡MF重廣卓也がヘディングでクリアしようと試みる。これが中途半端になったところに、こちらも交代で入ったFWパトリックが頭から飛び込んでシュート。ここまで好セーブを連発してきた福岡GK村上昌謙の手をすり抜け、ボールはゴールに吸い込まれた。
この後、アビスパはDFドウグラス・グローリを前線に上げるパワープレイを試みるが、DF昌子、DF三浦弦太、GK東口の堅守を崩せない。8分という長いアディショナルタイムの末、試合はG大阪の勝利で終わった。
VARの介入で負けた試合、という印象がぬぐえないが、残念ながらこれもサッカー。アビスパは5連敗を喫したまま、東京オリンピックによるJ1リーグ戦中断期間に入ることになる。次の試合は8月9日、ホーム・ベススタでのサンフレッチェ広島戦だ。東京オリンピックには、アビスパ福岡から世界へと旅立ったDF冨安健洋が出場する。冨安の健闘を応援しながら、アビスパの再起に期待しよう。
【深水 央】
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