2024年09月13日( 金 )

市民のため、地域の声を聴き、市長に提言する

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福岡市議会副議長 山口 剛司 氏

 6月に第77代福岡市議会副議長に就任した山口剛司氏(5期、東区)。2003年から5期連続当選の後、公明党福岡市議団幹事長などを経て、副議長に就任した。議会の役割、九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発などについて話を聞いた。

   ――6月に副議長に就任しました。

 山口 剛司(以下、山口) 副議長に就任してから怒涛のような日々を過ごしています。新型コロナウイルス対策、とくに事業者の資金がショートしないよう、補正予算の整備を進めています。

 ――議会の役割、市長・行政との関係は。

福岡市議会副議長 山口 剛司 氏
福岡市議会副議長 山口 剛司 氏

 山口 議会は市長はじめ行政部局とともに二元代表制の一翼を担っています。議会が全体として議論を深められるよう各会派の意見・要望を聞き、議長と相談のうえ市議会全体の意見をまとめ、高島市長をはじめ行政に対して要望を出していくのが主な役割です。福岡市として対外的にアピールしたり、国に要望を出したりするときには、議長が先頭に立つ役割を担い、副議長は補佐または代理としての役割を担います。

 行政が政策を立案し、議員が条例を提案する場合もあります。予算が潤沢にあるわけではないため、議会で優先順位をめぐり議論します。議員として市民への報告会で意見を聴取し、議会で意見をある程度まとめて、市長と交渉することもあります。

 公明党市議団としては、常に市民の意見をより良く反映させることを念頭に置き、かつ市長を支えられるよう要望を提出しています。コロナ対策をめぐっては市長に要望書を10数回提出しました。直近のケースでは、ワクチン接種会場となっている中央ふ頭クルーズセンターについて、公共交通機関では不便という意見があったことから市役所発着の無料バスの運行を提言し、市長にはいい考えだと即決してもらいました。

 予算の都合上見送られるものもあります。災害時に避難所となる小中学校の体育館に熱中症対策として冷暖房設置の要望を提出していますが、予算がないと言われています。ただ、私たちはあきらめておらず、市の財源に加え、国からの助成金を出してもらうよう国会議員に交渉を行ってもらっています。

 市長からは、公明党は予算の話や費用がかかる要望が多くて困るとよく言われますが、ともかく話を聞いてもらっています。福岡市が住みやすいまちになるためにどうしたらよいか一緒に考えるという良い関係を築いています。公明党は高島市長が初めて出馬したころから下支えしており、今後も良い関係でありたいと思っています。

 ――九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発で、事業者公募が再度延期になりました。

 山口 九大跡地は約42haある福岡の大事な資産であり、UR都市機構の指揮のもと、皆さんの意見を聞きながら進めてほしいと思います。私は住居以外に避難・防災機能を備えた公園を整備することを提言しています。

 災害発生時には救援物資を集め、仕分けするスペースが多く必要となります。福岡市には月隈収蔵庫など防災備蓄倉庫があり、小中学校が避難所となりますが、現在のものだけで足りるか懸念しています。そこで、跡地の一部を利用した、通常は憩いの場となり、災害が生じたときには避難物資の収集・分配、炊き出しや自衛隊による入浴支援という防災機能も兼ねる公園の設置を提言してします。

 議員の役割は市民の生命と生活を守ることです。地域の問題に関して、その地域の自治会長らも解決のために動いていますが、区役所には業務の優先順位があり、なかなか解決できないケースが多くあります。住民の声を拾い上げ、大事なことは早く解決できるよう行政に訴えてきました。

 ――現在注力している課題は。

 山口 現在、コロナ感染防止の特効薬はワクチンであり、市民が普通の生活を送れるように、希望者がワクチンを接種できる体制を整えることに注力しています。コロナ禍で、教育ICT推進の優先順位の引き上げを提言しました。小中学校で感染者が出たときに生徒が自宅で学習しやすいよう、困窮している家庭へのオンライン環境支援の充実などに注力しています。

 ――副議長としてメッセージをお願いします。

 山口 副議長として、市民の皆さんに生活、仕事、子育てのいずれの面でも福岡市に住んでよかったと思っていただけるように、高島市長、行政とともに福岡市議会で政策を決めていきます。その要として議長と副議長がいます。議員各位の意見をうかがいながら、2年間職を全うする所存です。

<プロフィール>
山口 剛司
(やまぐち・つよし) 氏
1958年福岡市生まれ、81年創価大学卒業、(株)岩田屋(現:(株)岩田屋三越)入社、99年外商部第4法人部長。2003年、福岡市議会議員初当選(東区、5期目)、公明党市議団幹事長などを経て、21年6月副議長に就任。

【茅野 雅弘】

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