2024年11月18日( 月 )

九州地銀(17行)の2022年3月期 第1四半期決算を検証する (3)

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 【表1】を見ていただきたい。九州地銀(FG・FH含む)の2021年第1四半期(6月期)の貸出金残高順位表である。

(1)九州地銀(17行)の21年6月期の貸出金残高順位表
~この表から見えるもの~

◆1位は福岡銀行で、前年比▲2,810億円の11兆1,263億円(同-2.5%)とマイナス。また21年3月期比も▲1,559億円(同-1.4%)と低下している。
・2位は西日本シティ銀行で、前年比+3,754億円の8兆2,082億円(同+4.8%)。ただ、21年3月期比は▲1,105億円(同-1.3%)と福岡銀行と同様マイナスとなっている。
・3位は十八親和銀行で、前年比▲8億円の4兆87億円(同-0.0%)。ただし、親和銀行と十八銀行は20年10月に合併して十八親和銀行となっており、それ以前の計数は単純合算しており正確ではない。ただし、21年3月期比は▲1,220億円(同-3.0%)と合併にともない大幅に減少していることがわかる。
・4位は肥後銀行で、前年比+518億円の3兆8,718億円(同+1.4%)。21年3月期比は369億円(同+1.0%)となっている。
・5位は鹿児島銀行で、前年比+1,319億円の3兆8,336億円(同+3.6%)と肥後銀行に肉薄する増加を見せている。ただ、21年3月期比は192億円(同+0.5%)。
◆6位は宮崎銀行で、前年比+725億円の2兆1,606億円(同+3.5%)。21年3月期比は84億円(同+0.4%)。
・7位は佐賀銀行で、前年比+1,026億円の2兆356億円(同+5.3%)と大幅な増加。21年3月期比は195億円(同+1.0%)。ここまでが2兆円台。
◆8位は大分銀行で、前年比+874億円の1兆9,330億円(同+4.7%)。21年3月期比は262億円(同+1.4%)。
・9位は熊本銀行で、前年比+1,214億円の1兆8,513億円(同+7.0%)。21年3月期比は▲302億円(同-1.6%)とマイナス。
・10位は北九州銀行で、前年比+329億円の1兆2,544億円(同+2.7%)。21年3月期比は▲28億円(同-0.2%)とマイナス。ここまでが1兆円台。
◆11位は南日本銀行で、前年比+88億円の5,866億円(同+1.5%)。21年3月期比は▲37億円(同-0.6%)。11位からは1兆円以下の銀行で7行。
・12位は筑邦銀行で、前年比+132億円の5,326億円(同+2.5%)。21年3月期比は▲28億円(同-0.5%)。
・13位は宮崎太陽銀行で、前年比+145億円の5,215億円(同+2.9%)。21年3月期比は+24億円(同+0.5%)。
・14位は福岡中央銀行で、前年比+204億円の4,302億円(同+5.0%)。21年3月期比は+18億円(同+0.4%)。
・15位は豊和銀行で、前年比+84億円の4,144億円(同+2.1%)。21年3月期比は-2億円(同-0.0%)。
・16位は長崎銀行で、前年比+90億円の2,657億円(同+3.5%)。21年3月期比は+27億円(同+1.0%)。
・17位は佐賀共栄銀行で、前年比+53億円の1,983億円(同+2.7%)。21年3月期比は+22億円(同+1.1%)となっている。

(2)九州地銀の金融グループ(3社)の21年6月期の貸出金残高順位表
~この表から見えるもの~

◆1位はふくおかFGで、前年比▲1,547億円の16兆8,376億円(同-0.9%)とマイナス。また21年3月期比も▲3,082億円(同-1.8%)。ただし、シェアは51.5%と過半数を超えている。
・2位は西日本FHで、前年比+3,802億円の8兆4,328億円(同+4.7%)。ただし、21年3月期比は▲1,111億円(同-1.3%)とマイナスとなっている。シェアは25.7%。
・3位は九州FGで、前年比+1,815億円の7兆6,367億円(同+2.4%)。21年3月期比は+564億円(同+0.7%)とプラス。シェアも1社だけ増加して22.8%となっている。
<まとめ>
 九州地銀(17行)の6月期の貸出金合計は前年比+7,737億円の43兆2,328億円(同+1.8%)となっているが、21年3月期比▲3,088億円とマイナスとなっており、新型コロナウイルスの感染拡大は、九州の地銀および企業の経済活動に大きな影響を与えていることがわかる。

【表1】九州地銀(FG・FH含む)の貸出金残高順位表
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(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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