(株)ヤクルト本社(東京都港区)の関連会社「上海ヤクルト」が違法広告を行ったとして、中国・上海市から罰金を科せられた事件の詳細が8日、ヤクルト本社への取材でわかった。
一部メディアの報道を受けて、ヤクルト本社では現地情報の収集に乗り出した。同社によると、問題の広告は、上海ヤクルトの販促業務担当者が社内で使用するツール(チラシ)。チラシには「新型コロナウイルスと関連づけた表現があった。善玉菌が新型コロナウイルスの予防または治療に重要な役割をはたす旨が書かれていた」(広報室)。
チラシの一部が上海市内のスーパーマーケット店頭で、消費者向けの宣伝ツールとして使用され、上海市による取り締まりの対象となった。スーパーマーケットがチラシを入手した経緯については把握できていないという。
上海市は、ヤクルト製品に配合した菌が新型コロナウイルスに効果があると誤認させ、またライバル他社のビジネスを妨害すると判断。上海ヤクルトに罰金45万元(約765万円)を科した。
「チラシは300枚ほど(上海ヤクルトの)社内で配布されていたが、現在回収中」(同)と説明している。
上海ヤクルトは、ヤクルト本社が中国で展開する中国ヤクルト(株)の子会社。ヤクルト本社によると、上海ヤクルトでは再発防止に向けて、広告のチェック体制を強化する方針だ。
【木村 祐作】
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