特金法改正で、韓国の仮想通貨取引所は上位4社以外の40数社が営業停止に追い込まれる(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
仮想通貨に対する関心が、世界的に高まっている。IT強国の韓国でも例外ではない。ある国会議員の発表によると、仮想通貨取引所に登録している会員数は1,000万人以上で、取引のために預けた金額は62兆ウォン(約5兆8,186億円)に上るという。一方、韓国政府は投資家の保護を旗印に「特別金融取引情報法(以下、特金法)」を改正したため、仮想通貨取引所業界だけでなく、コイン発行会社、投資家に一大波乱が起こることが予想されている。
仮想通貨取引所1位のアップビットが独走
韓国では若い人を中心に、仮想通貨に投資をする人が増えている。仮想通貨への投資が増えている要因の1つとして、韓国人の資産の8割以上は不動産で占められているが、高くなりすぎた不動産に投資するほど資金をもっていない若者にとって、仮想通貨は少ない資金でも挑戦できるため、若者は仮想通貨の投資に走っているという。
仮想通貨を売買するためには、仮想通貨取引所を利用するが、韓国の仮想通貨取引所は、大きく分けて2つの取引で成り立っている。仮想通貨をウォンで売買できるウォン取引と、仮想通貨同士を売買できるコイン取引である。現在、韓国には、公式の仮想通貨取引所が63カ所ある。しかし、仮想通貨の売買においては、上位4社の寡占化が進んでいる。上位4社の1日の取引高は40兆ウォン(約3兆7,624億円)を超え、金額規模においては、証券市場を上回るほどの成長を遂げている。とくに、韓国の仮想通貨取引所1位であるアップビットはそのなかでも突出した取引高を誇っており、同社の独走が続いている。
もう1つ韓国の仮想通貨取引所を説明する言葉がある。「キムチプレミアム」だ。ビットコインやイーサリウムの価格が他国に比べて高くなるほどに、韓国の仮想通貨取引所は活性化している。
仮想通貨取引所の現況
コインマーケットキャップによると、アップビットの9月1日の1日取引高は前日より20.15%増加した98億9,101万ドル(約11兆ウォン、約1兆949億円)であった。世界2位の規模である。
韓国2位の仮想通貨取引所のビットサムの1日取引高は13億9,283万ドル(約1,541億円)で、世界32位となっている。アップビットの取引高は、ビットサムと比べると7倍となる。世界1位はバイナンスで、バイナンスの1日取引高は306億7,861万ドル(約35兆ウォン、約3兆3,955億円)である。
アップビットのウェブサイトの訪問者数は世界7位の合計213万3,838名で、東南アジアの最大仮想通貨取引所であるインドダックス(244万5,617名)と肩を並べる水準である。ちなみに、国内2位のビットサムは60万6,261名で、コインワンは51万413名である。それに、今年4月から8月までのアップビットの新規加入者は177万5,561名であり、仮想通貨への関心が高まっていることがよくわかる。
(つづく)
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