世界約90カ国で空前の大ヒットを記録~韓国ドラマ「イカゲーム」(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
世界中で超人気「イカゲーム」
「イカゲーム(英語タイトル:Squid Game)」という韓国ドラマが世界中で話題になっているのをご存知だろうか。韓国発の同ドラマは、いまや世界中で話題となりケタ違いの成功をおさめている。
これまで、韓国のアイドルグループ「BTS」がアメリカのビルボード・シングルチャートで1位を獲得したり、20年に韓国映画「パラサイト」が外国映画として初めてのアカデミー作品賞を受賞して4冠王に輝いたりしたことはあったが、今回は韓国ドラマの世界的大ヒットである。
「イカゲーム」は9月17日の配信開始後、10月2日にはNetflixがサービスを提供する83カ国すべてでランキングの1位を獲得し、世界を驚かせた。従来インドではインド発のコンテンツしか1位にならないようだが、「イカゲーム」はそんなインドでも1位になったということで業界では話題になっているようだ。また、「イカゲーム」は配信開始から28日間で、1億1,100万世帯が視聴したことも明らかになった。これはNetflixが提供したドラマのなかでは史上最高記録となる。
この話題はSNSを通じて世界中に広がり、盛り上がりを見せている。動画配信サイト「TikTok」では動画の総視聴回数が300億回以上を記録しており、人気の高さがうかがえる。
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コンテンツ大国になりつつある韓国(前)「イカゲーム」が大ヒットとなったおかげで、出演俳優への関心も高まっている。今月6日、米国の代表的な深夜の人気トークショーである「ジミー ファロンショー」にも出演俳優の数名が出演した。このショーには以前、韓国のアーティスト「BTS」や「BLACKPINK」なども出演している。
韓国ドラマ大ヒットの立役者NetFlix
現在、世界的に拡大を続けているネットフリックス社だが、同社は1997年にDVDレンタル事業を行うために設立された。設立当初は事業がうまくいっていたものの、壁にぶつかるようになり、現在のような動画サービス事業に事業内容を変更。リコメンデーションエンジンやコンテンツ制作に積極的に投資することにより、事業を成功させ、今でも世界に事業を拡大させつつある。
とくに、新型コロナ感染拡大は同社の成長にとっての追い風となり、現在では時価総額20兆円を超える巨大企業となっている。同社のリコメンドシステムは視聴者の嗜好を把握し、良い作品をリコメンドしてくれるため評価が高く、同社成長の源となっている。また、同社のオリジナル作品制作ポリシーは今回のように韓国ドラマが世界的なヒットになる足場を提供している。実際に、ネットフリックスは韓国の良質なコンテンツを世界に広めるのに大きな役割をはたしている。「キングダム」「愛の不時着」「梨泰院クラス」など、韓国ドラマがアジアだけでなく、全世界に視聴されるようになったのは、Netflixの存在が大きい。
どんなドラマなのか
「イカゲーム」では、多額の借金を抱えた総勢456名の人々が、勝者となれば、賞金456億ウォン(約43億円)を獲得する、命を懸けたサバイバルゲームに挑む様子を描いたドラマである。
ゲームは6つ。主人公のソン・ギフン(イ・ジョンジェ)は、借金を抱えてギャンブルで一攫千金を狙っている中年男だ。妻とは離婚。実母は生活のために行商を続けていて、ギフンは母のためにも、また離れて暮らす娘のためにも一発逆転を夢見ている。そんな彼はある日、駅で男性から謎の電話番号を渡される。それは大金をゲットできるゲームへの誘いだった。数日後、そのゲームに参加するため、待ち合わせの場所に行き、自動車に乗り、ガスで眠らされて、いつの間にか連れて行かれたのは、覆面をした人物が管理する謎の空間。全員がグリーンのジャージを着せられ、ギフンには「456」の番号が与えられた。
(つづく)
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