埋め立て承認撤回・取消なければ基地建設阻止もなし
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NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介している。沖縄に漂う「翁長タブー」という空気を植草氏が敢えて破った理由が示された4月17日のブログを紹介する。
辺野古の米軍基地建設は、「粛々と進める」のでなければ容認されるのか。
4月5日に菅義偉官房長官と翁長雄志沖縄県知事との会談が行われた。菅官房長官が辺野古米軍基地建設を「粛々と進める」と発言すると、翁長雄志氏は「上から目線の『粛々と』という言葉を使えば使うほど、県民の心は離れて、怒りは増幅していくのではないか」と述べた。メディアは翁長氏の「上から目線」発言をトップニュースで報道した。沖縄の街では、「翁長知事がんばれ」の幟(のぼり)がはためいた。翁長氏を英雄のように報道する姿が目立っている。菅義偉氏は帰京して、「『粛々と』という言葉を使わない」と述べたが、その直後に安倍晋三氏が国会答弁で「粛々と進める」と発言して批判を浴びて、「粛々と」という言葉をあえて使う必要はないと弁解した。
しかし、この会談での菅義偉氏と翁長雄志氏の「粛々と」発言の部分は、両者がともに用意した原稿を読んだものである。2人の発言がともに台本に用意されていた疑いが濃厚である。
両者は、どこかの脚本家が用意した台詞(セリフ)を読み上げただけに過ぎなかった疑いが強い。この「芝居」を通じて浮かび上がることは、翁長雄志氏が政府に注文をつけたのは、辺野古米軍基地建設を「粛々と」進めることに対してだけであって、基地建設そのものを何が何でも阻止するとの意志はまったく感じられないものだった。
翁長雄志氏は「辺野古に基地を造らせない」ことを公約に掲げて知事選を戦い、沖縄県民はこの公約を信用して翁長氏を知事に選出した。
したがって、翁長氏が「辺野古に基地を造らせない」という公約を実現できなければ、翁長氏の知事再選はあり得ない、と考えるべきである。
その前に、翁長氏の県政の下で、辺野古基地建設が進行するなら、沖縄県民が翁長雄志氏の知事リコールに進むというのが、正道ということになるだろう。沖縄には「翁長タブー」がある。辺野古基地建設を阻止しようとする県民が、翁長雄志氏を批判することがタブーとされる空気が昨年夏からずっと広がっているのだ。
私は、沖縄県知事選に際して、このタブーを破った。その理由は、ただひとつ。「辺野古に基地を造らせない」為である。「辺野古に基地を造らせない」という目標を実現するうえで、現在、もっとも有効な手法は、沖縄県知事が埋め立て承認を撤回し、さらに、取り消すことである。これ以上に有効な方法はない。
だから、知事選に際して、辺野古基地建設反対を求める人々は、翁長氏の選挙支援をするなら、翁長氏から、間違いなく「埋め立て承認の撤回、取消」に進む確約を取るべきであると主張し続けた。その理由は、翁長氏が「腹六分腹八分」を前面に掲げて、頑なに「埋め立て承認の撤回、取消の確約」を拒絶したからである。現在の沖縄の状況を見る限り、私が提起した懸念は、間違いなく現実のものになる。4月17日には、翁長氏が安倍晋三氏と会談することになったが、翁長氏は安倍首相に、はっきりと、「埋め立て承認撤回および取消の方針」を伝えるべきである。それが、沖縄県民に対して、「辺野古に基地を造らせない」と約束したことに見合う唯一の方策である。4月4日付メルマガ記事「翁長・安倍会談物別れでお茶を濁す極秘シナリオ」に記述したシナリオが現実化しつつあることを見落としてはならない。
※続きはメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1126号「埋め立て承認撤回・取消なければ基地建設阻止もなし」で。
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