古賀市・薬王寺の「温泉×新ビジネス」のインキュベーション施設がリニューアルオープン
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10月30日、コロナ禍で休業を余儀なくされた古賀市の温泉旅館が、装い新たにインキュベーション(新規創業・新規起業の支援)施設としてリニューアルオープンを迎えた。
同施設は、コロナ禍で昨年5月に事実上の閉館となった、古賀市・薬王寺温泉の温泉旅館「快生館」をリノベーションし、天然温泉付きのシェアオフィスやコワーキングスペース、サテライトオフィスなどのインキュベーション施設として再生させたもの。1階部分の旧宴会場をコワーキングスペースとしたほか、カウンターを備えたカフェスペースも併設。2階部分には、元の客室をリノベーションしたオフィスルーム6室(10人部屋1室、3人部屋1室、2人部屋4室)を設けた。また、別棟の浴場をクリーニングして再利用するほか、浴場に隣接した場所にはフリースペースを設け、入居事業者らの交流を促す空間となっている。
同施設は、フリーアドレス(月額1万7,600円)やオフィス(月額9万8,000円~24万4,000円)、ドロップイン(日額2,200円~)などのワーク利用のほか、イベントなどに利用できるスペース利用も可能。市外からの企業がオフィスとして入居する場合には、進出支援金といったインセンティブを受けることもできる。施設名称は、旧温泉施設のころの名前を踏襲して「快生館」としており、「快く生きる」という、まさにwithコロナやアフターコロナにおける生き方の価値観にふさわしい名前になっている。
リニューアルオープン当日は、地元の代表者らを対象にお披露目会および内覧会を開催。古賀市の田辺一城市長は、「ここを拠点に、いろいろな企業さんですとか、地元の皆さんなどが混ざり合い、つながり合って、掛け算的に新しい発想が生まれ、それが古賀市全体のまちの活性化につながっていくという、非常に重要なプロジェクトになっています。一時は、市にとって重要な地域資源である温泉施設が失われかねないという、大変なピンチではありましたが、そのピンチを今度はチャンスにしていきたいと思います」と意気込んだ。
また、続いて挨拶を行った地元・古賀市選出の県議会議員・吉田健一朗氏は、「この快生館の取り組みには、福岡県議会でも注目しています。企業誘致に関しては県の東京事務所でも発信を行っていくなど、県としてもこの古賀市のプロジェクトを、しっかりと応援していきたいと思います」と、エールを送った。
続いて、施設の運営を担当する(株)SALT(福岡市西区)代表取締役・須賀大介氏が登壇した。須賀氏は、これまでに福岡と東京で手がけてきた計10拠点のコワーキングスペースなどの運営事例などを紹介するとともに、古賀市・薬王寺温泉のポテンシャルについても言及。
「ここには温泉がありますので、『癒されながら仕事をしていきたい』『活力を得ながら仕事をしていきたい』という人を集めていくうえで非常に強みがありますし、近隣の自治体やサテライトオフィスなどとの差別化も図れると思います。外から入ってきた人間と、地元の人間とが混じり合うことで、さまざまな新しい可能性を拓いていける場所になっていけるよう、我々スタッフ一同も、全力で取り組んでまいります」と、施設運営に向けての想いを語った。なお、リニューアルオープンを迎えた「快生館」だが、11月20日(土)から22日(月)までの3日間の日程でオープン記念イベントが行われるほか、来年には施設リノベーションの第2期工事も予定されており、これからさらに施設の充実化が図られていく。インキュベーション施設として生まれ変わった温泉旅館「快生館」が、これから周辺エリアや古賀市全体にどのように活性化や変革をもたらしていくのか――。古賀市による新たな取り組みは、コロナ禍や人口減・高齢化などで衰退していく他自治体やエリアにとって、大きなヒントとなっていくに違いない。
【坂田 憲治】
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