2024年11月13日( 水 )

アビスパ、念願の勝ち点50到達!福岡1-0大分

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 サッカーJ1リーグ・アビスパ福岡は3日、ホームのベスト電器スタジアムに大分トリニータを迎えてJ1第34節の試合を行った。今シーズン最後となる「バトルオブ九州」の一戦だ。

 アビスパ福岡は、第32節の結果ですでに来シーズンもJ1でプレーすることが決まっている。いわゆる「5年周期」(5年に1度J1に昇格、1年で降格という状態が続いたことから名づけられたジンクス)を終わらせ、指揮官・長谷部茂利監督の続投も決定。アビスパサポーターは、心穏やかなシーズン終盤を迎えることができている。

 残るはシーズン前に掲げた「勝ち点50」の達成。試合開始前の段階で勝ち点47、残り1勝で到達する。

 対する大分トリニータは、4チーム降格という例年にはないレギュレーションとはいえ、降格圏内に沈む厳しい状況。降格回避には勝ち点3がどうしても必要な状態だ。

 今期は4-4-2のフォーメーションでスタートすることが多かったアビスパだが、前節札幌戦から3バック(3-4-2-1)を採用。守備の連係にやや不安が残った前節からどれだけ進歩しているか、注目したいところだ。

 試合は大分のペースでスタート。守備ではDFエンリケ・トレヴィザンを中心にした3バックが成熟した守備連携を見せ、攻撃では正確にボールをつなぐプレーでアビスパの両サイドをえぐり、チャンスにつなげる意識を見せた。とくにFW渡邉新太が鋭い動き出しを随所に見せ、アビスパDF陣の脅威となっていた。

FWジョン・マリの技ありヘディングシュート
FWジョン・マリの技ありヘディングシュート

 しかし、先にゴールを奪ったのはアビスパ。32分、DF志知孝明は左サイドの浅い位置でMF前寛之のパスを受けると、ゴール前を一瞥して長く速いクロスボールを入れる。これをFWジョン・マリが頭で合わせて先制。大分DFとの地上戦を制し、頭1つ高いジャンプからの見事なヘディングシュートだった。

 久々に先発出場をはたしたジョン・マリはこの後も水を得た魚のようにフィールドで躍動。大分DF陣がボールを奪いに来ないと見るや、その場でリフティングを見せる余裕も(これは長谷部監督から怒られ、ジョン・マリは大分ベンチに謝りに行ったとのこと)。

 この日、すばらしいプレーを見せたのはMF金森健志。ベンチスタートとなった金森は、29分に負傷したFW山岸祐也と交代でピッチに入る。金森は守備では献身的に体を張り、攻撃では爆発的なドリブルとスプリントで大分DF陣を何度も押し込むシーンをつくった。強烈なミドルシュートを放ち、さらに後半はコーナーキックからゴールを狙う場面も見せ、レベスタを何度も沸かせてみせた。

強烈なインパクトを残したMF金森
強烈なインパクトを残したMF金森

 大分は後半、FW呉屋大翔、MF小林成豪、長身FW長澤俊など攻撃的なタレントを次々とピッチに送り込むが、アビスパはMF前寛之、MF中村駿が中盤でボールを刈り取り、その後ろには強力な3人のセンターバックが並び、さらにはこの試合も安定感抜群のセーブを見せたGK村上昌謙が控える盤石の布陣。大分はボールを持つ場面こそ多いものの、決定機をつくるには至らない。

 最後は敵陣コーナーポスト近くでボールキープして時間を使う姿勢も見せたアビスパが、そのまま勝利。勝ち点3を積み重ね、目標だった「シーズン勝ち点50」を達成した。

 試合終了後には、ベンチ入りしなかった選手も含めた全選手が「5年周期を終わらせた」記念Tシャツを身につけ、医療関係者への感謝の思いを綴った横断幕をもってスタジアムを一周。「来シーズンも、国内最高カテゴリーで戦える」という充実感を選手もサポーターも改めてかみしめた。

 次節横浜FC戦は11月7日。3バックシステムにさらに磨きをかけるか、このところ出場機会が少なかった選手たちに輝くチャンスが訪れるか。すでに来シーズンを見据えた「強いアビスパ」をレベスタで目撃しよう。

残留、リーグ順位中位、勝ち点50。すべての公約を果たした
残留、リーグ順位中位、勝ち点50。すべての公約を果たした

【深水 央】

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