九州地銀(17行)の2021年9月期(中間)決算を検証する (3)
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【表1】は九州金融グループの2022年3月期第2四半期(9月期)の純資産残高・総資産残高・自己資本比率の順位表である。
1.九州の金融グループについて
◆純資産残高1位はふくおかFG。前年比+783億円の9,771億円(同比+8.7%)。
・2位は九州FG。前年比+464億円の6,989億円(同比+7.1%)。
・3位は西日本FH。前年比+376億円の5,627億円(同比+7.2%)。
◆総資産残高1位はふくおかFG。前年比+1兆4,004億円の28兆7,211億円(同比+5.1%)。
・2位は九州FG。前年比+1兆7,641億円の13兆5,489億円(同比+15.0%)。
・3位は西日本FH。前年比+1兆297億円の13兆1,590億円(同比+8.5%)。
・ふくおかFGの総資産残高は、九州FG+西日本FHの総資産残高を上回っており、圧倒的な差が読み取れる。
◆自己資本比率1位は九州FG。前年比-0.03%の11.08%。11%台を維持している。
・2位はふくおかFG。前年比-0.15%の10.77%。
・3位は西日本FH。前年比+0.09%の9.68%。西日本FHだけが前年比プラスとなっている。2.九州地銀(17行)の経営成績順位表
(1)純資産残高順位表
◆純資産残高1位は福岡銀行。前年比+412億73百万円の6,987億27百万円(同比+6.3%)。
・2位は西日本シティ銀行。前年比+233億76百万円の5,462億64百万円(同比+4.5%)。
・3位は肥後銀行。前年比+241億88百万円の3,420億44百万円(同比+7.6%)。
・4位は鹿児島銀行。前年比+155億50百万円の3,408億25百万円(同比+4.8%)。
・5位は十八親和銀行。前年比+1,624億41百万円の2,841億52百万円(同比+133.5%)。要因は親和銀行(前年8位)と十八銀行(前年6位)が2020年10月に合併したことによる。
・6位は大分銀行。前年比+149億7百万円の2,102億63百万円(同比+7.6%)。ここまでが2,000億円以上となっている。
・7位は宮崎銀行。前年比+7,830百万円の1,619億59百万円(同比+5.1%)。
・8位は佐賀銀行。前年比+2,964百万円の1,231億92百万円(同比+2.5%)。
・9位は北九州銀行。前年比+4,987百万円の1,086億68百万円(同比+4.8%)。ここまでが1,000億円以上の銀行。
・10位は熊本銀行。前年比+1,764百万円の890億80百万円(同比+2.0%)。
・11位は南日本銀行。前年比+104億96百万円の525億8百万円(同比+25.0%)と大幅な増加。
・12位は宮崎太陽銀行。前年比+3,928百万円の506億53百万円(同比+8.4%)。
・13位は筑邦銀行。前年比3,979百万円の418億9百万円(同比+10.5%)。
・14位は豊和銀行。前年比+1,437百万円の326億8百万円(同比+4.6%)。
・15位は福岡中央銀行。前年比+647百万円の306億7百万円(同比+2.2%)。
・16位は長崎銀行。前年比+3,187百万円の183億2百万円(同比+21.1%)と大幅な増加。
・17位は佐賀共栄銀行。前年比+919百万円の153億6百万円(同比+6.4%)。トップの福岡銀行と大きな差があるのがわかる。(2)総資産残高順位表について
◆1位は福岡銀行。前年比+1兆664億円の20兆5,441億円(同比+5.5%)。20兆円超える圧倒的なボリューム(億円以下切り捨て)。
・2位は西日本シティ銀行。前年比+9,894億円の12兆8,582億円(前年比+8.3%)。10兆円を超えているのは同行と福岡銀行と2行だけとなっている。
・3位は肥後銀行。前年比+7,789億63億円の7兆2,063億円(同比+12.1%)。
・4位は十八親和銀行。前年比+3兆6,407億円の6兆5,952億円(同比+123.2%)。ふくおかFG傘下の親和銀行(前年8位)と十八銀行(前年7位)が合併したことによる。
・5位は鹿児島銀行。前年比+9,851億円の6兆3,132億円(同比+18.5%)。同じ九州FG傘下行同士が競り合いを演じているなか、十八親和銀行が割り込んだ格好となっている。(3)自己資本比率について
◆1位は山口FG傘下の北九州銀行で11.09%。2位は南日本銀行で11.08%。この2行が11%台となっている。
・3位は鹿児島銀行10.70%、4位は肥後銀行10.24%。5位長崎銀行。6位大分銀行。7位十八親和銀行までの5行が10%台。
・8位は熊本銀行。9位西日本シティ銀行。10位福岡中央銀行。11位宮崎太陽銀行。12位福岡銀行。13位の豊和銀行までの6行が9%台。
・14位は佐賀共栄銀行。15位佐賀銀行。16位宮崎銀行。17位の筑邦銀行までの3行が8%台となっている。筑邦銀行は昨年7.48%で1行だけが7%台だった。<まとめ>
国際統一基準では、バーゼル合意に基づき、銀行の達成すべき自己資本比率は8%以上と定めている。九州地銀17行全行がクリアしている。ただ、日銀のゼロ金利政策の継続や新型コロナウイルスの影響は深刻であり、今後、純資産残高のボリュームが小さい銀行は、生き残りを賭けて経営統合を加速するものと予想される。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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