クルークス衝撃弾でホーム最終戦を飾る 福岡2−2仙台
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は27日、ホームのベスト電器スタジアムにベガルタ仙台を迎えて第37節の試合を行った。これが今シーズン最後のホームゲームとなる。
前節の結果、ベガルタ仙台、横浜FC、大分トリニータのJ2降格が決定した。ベガルタ仙台は手倉森誠監督が退任し、今節のアビスパ戦から原崎政人監督が指揮を執る。勝負の世界とはいえ、厳しい現実を改めて突きつけられる。
対するアビスパは、FW城後寿、MFカウエ、MF石津大介らここのところ試合出場機会がなかった選手たちが先発に名を連ねた。とくに城後と石津は地元・福岡出身の人気選手だけに、試合前の選手紹介ではスタンドから大きな拍手が贈られた。
ゲームは両チームがボールを奪い合うアグレッシブな展開でスタート。FW城後寿・FW渡大生のツートップは豊富な運動量で仙台のディフェンスラインにプレスを仕掛け、懸命にボールを追う姿勢を見せた。
試合が動いたのは26分。DFエミル・サロモンソンのコーナーキックを仙台DFがクリアすると、ボールはMF前寛之の足元へ。これを前がダイレクトで右サイドに展開し、MFジョルディ・クルークスがパスを受ける。ボールをもったクルークスは、前方への突破をちらつかせながらスッと中央に向けて方向転換すると、エリア外で左足を一閃。高速シュートはポストを巻くように曲がりながらゴールネットに突き刺さった。アビスパサポーターからすれば、「親の顔より見た」クルークスの一発。多くのサポーターが、J1王者川崎フロンターレを下した8月のホームゲームを思い出したのは間違いないだろう。前半は福岡の1点リードで折り返す。
だが、ベガルタ仙台にも意地がある。49分、次いで63分に、コーナーキックからMF氣田亮真がゴールを奪う。どちらも同じようなかたちからの失点なのはいただけない。
仙台の1点リードでゲームが進み、アビスパ福岡の長谷部茂利監督はFWフアンマ・デルガド、MF金森健志、MF中村駿らをピッチに送り込む。FWフアンマのボールキープからチャンスをつくろうとするが、なかなか得点機には至らない。71分にはコーナーキックからDF宮大樹が強烈なヘディングシュートを叩き込むが、これは直前にファールがあり得点は認められない。リードを許したまま、試合は最終盤に入る。
しかし、今年のアビスパには最後の最後にドラマがある。87分、右サイドのMFクルークスが右足でゴール前にクロスを上げると、FWフアンマが頭でMF金森にパス。金森はこれをヘディングするが、クロスバー直撃。だがそこからこぼれたボールを金森が自ら押し込み、同点ゴールをもぎ取った。
試合はこのまま同点で終了。アビスパはホーム最終戦を引き分けで終えた。
試合終了後には、ホーム最終戦記念セレモニーが開催された。挨拶に立った川森敬史社長は「5年周期、終わりましたーっ!ありがとうございます!」と叫び、両手で力強くガッツポーズ。2020年シーズン最終戦、川森社長が「5年周期、終わらせませんか?」と問いかけて始まったチャレンジが、大団円を迎えた瞬間だった。
今シーズン最終戦は、12月4日に行われるアウェーのFC東京戦。この試合に勝つか引き分ければ、アビスパのシーズン8位が確定する。アビスパ史上に大きな足跡を残す2021年シーズンを、勝利で幕引きとしたい。
【深水 央】
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