2024年12月24日( 火 )

地銀の経営統合~金融持株会社のSBIが参入(前)

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 【表1】は47都道府県の地方銀行(99行)の配置表である。11月30日現在、全国の地銀は99行を数える。内訳は第一地銀62行、第二地銀37行。地銀が1行となっているのは、埼玉県・山梨県・石川県・滋賀県・京都府・奈良県・和歌山県・鳥取県の8府県。地域別の状況は以下の通りとなっている。

(1)北海道 2行(第一地銀1行、第二地銀1行)

 第一地銀の北海道銀行と第二地銀の北洋銀行。北海道銀行と北陸銀行(本社:富山県)は経営統合し、「ほくほくフィナンシャルグループ」の傘下行。

(2)東北地方(6県) 15行(第一地銀10行、第二地銀5行)

 青森県2行:第一地銀は青森銀行・みちのく銀行の2行。第二地銀はなし。
 秋田県2行:第一地銀は秋田銀行・北都銀行2行。第二地銀はなし。
 山形県3行:第一地銀は荘内銀行・山形銀行の2行。第二地銀はきらやか銀行。
 岩手県3行:第一地銀は岩手銀行・東北銀行の2行。第二地銀は北日本銀行。
 宮城県2行:第一地銀は七十七銀行。第二地銀は仙台銀行。
 福島県3行:第一地銀は東邦銀行。第二地銀は福島銀行・大東銀行の2行。

(3)関東地方(7都県) 15行(第一地銀9行、第二地銀6行)

 群馬県2行:第一地銀は群馬銀行。第二地銀は東和銀行。
 栃木県2行:第一地銀は足利銀行。第二地銀は栃木銀行。
 茨城県2行:第一地銀は常陽銀行・筑波銀行の2行。
 埼玉県1行:第一地銀は武蔵野銀行。第二地銀はなし。
 千葉県3行:第一地銀は千葉銀行・千葉興業銀行の2行。第二地銀は京葉銀行。
 東京都3行:第一地銀はきらぼし銀行。第二地銀は東日本銀行・東京スター銀行の2行。
 神奈川県2行:第一地銀は横浜銀行。第二地銀は神奈川銀行。
 ※横浜銀行と東日本銀行はコンコルディアFGの傘下行。

(4)甲信越地方(3県) 5行(第一地銀3行、第二地銀2行)

 新潟県2行:第一地銀は第四北越銀行。新潟県に本店を置く第四銀行と北越銀行が合併(2021年1月1日)したことによる。存続銀行は第四銀行。第二地銀は大光銀行。
 山梨県1行:第一地銀は山梨中央銀行。第二地銀はなし。
 長野県2行:第一地銀は八十二銀行。第二地銀は長野銀行。

(5)北陸地方(3県) 6行(第一地銀4行、第二地銀2行)

 富山県3行:第一地銀は北陸銀行(ほくほくFG)・富山銀行の2行。第二地銀は富山第一銀行。
 石川県1行:第一地銀は北國銀行。第二地銀はなし。
 福井県2行:第一地銀は福井銀行。第二地銀は福邦銀行。21年10月1日、福井銀行が福邦銀行を子会社化しており、いずれ合併して1県1行に移行するとみられる。
 ※北陸銀行と北海道銀行が飛地統合してほくほくFG (本社:富山市) の傘下行となったのは、明治時代の北海道開拓における屯田兵に北陸3県の出身者が全体の4分の1程度に達していたことによる。

(6)東海地方(4県) 11行(第一地銀7行、第二地銀4行)

 静岡県4行:第一地銀は静岡銀行・スルガ銀行・清水銀行の3行。第二地銀は静岡中央銀行。
 愛知県3行:第一地銀がゼロは愛知県だけ。その要因は、県内の第一地銀が合併して東海銀行となって都銀に転出したことによる。第二地銀は愛知銀行・中京銀行・名古屋銀行の3行。愛知銀行と中京銀行は22年に持株会社を設立し経営統合する予定。
 三重県2行:第一地銀は三十三銀行・百五銀行の2行。第二地銀はなし。その要因は、21年5月1日、第三銀行(第二地銀)が三重銀行(第一地銀)を吸収合併し三十三銀行となり、第一地銀に所属したことによる。
 岐阜県2行:第一地銀は大垣共立銀行・十六銀行の2行。第二地銀はなし。

(7)近畿地方(6府県) 8行(第一地銀7行、第二地銀1行)

 滋賀県1行:第一地銀は滋賀銀行。第二地銀はなし。
 京都府1行:第一地銀は京都銀行。第二地銀はなし。
 大阪府2行:第一地銀は関西みらい銀行(関西みらいFG)・池田泉州銀行の2行。第二地銀はなし。
 奈良県1行:第一地銀は南都銀行。第二地銀はなし。
 和歌山県1行:第一地銀は紀陽銀行。第二地銀はなし。
 兵庫県2行:第一地銀は但馬銀行。第二地銀はみなと銀行。
 ※関西みらい銀行とみなと銀行の2行は関西みらいFGの傘下行。

(8)中国地方(5県) 9行(第一地銀5行、第二地銀4行)

 鳥取県1行:第一地銀は鳥取銀行。第二地銀はなし。
 島根県2行:第一地銀は山陰合同銀行。第二地銀は島根銀行。
 岡山県2行:第一地銀は中国銀行。第二地銀はトマト銀行。
 広島県2行:第一地銀は広島銀行(ひろぎんHD)。第二地銀はもみじ銀行(山口FG傘下行)。
 山口県2行:第一地銀は山口銀行(山口FG)。第二地銀は西京銀行。

(9)四国地方(4県) 8行(第一地銀4行、第二地銀4行)

 徳島県2行:第一地銀は阿波銀行。第二地銀は徳島大正銀行。
 香川県2行:第一地銀は百十四銀行。第二地銀は香川銀行。
 愛媛県2行:第一地銀は伊予銀行。第二地銀は愛媛銀行。
 高知県2行:第一地銀は四国銀行。第二地銀は高知銀行。
 ※香川銀行と徳島大正銀行の2行はトモニHDの傘下行。

(10)九州地方(7県) 17行(第一地銀10行、第二地銀7行)

 福岡県5行:第一地銀は福岡銀行(ふくおかFG)・西日本シティ銀行(西日本FH)・筑邦銀行・北九州銀行(山口FG)の4行。第二地銀は福岡中央銀行(福岡銀行出身者が歴代頭取に就任しており、ふくおかFG系列)。
 佐賀県2行:第一地銀は佐賀銀行。第二地銀は佐賀共栄銀行。
 長崎県2行:第一地銀は十八親和銀行(ふくおかFG)。20年10月1日、親和銀行が十八銀行を吸収合併して発足。第二地銀は長崎銀行(西日本FH)。
 熊本県2行:第一地銀は肥後銀行(九州FG)。第二地銀は熊本銀行(ふくおかFG)。
 大分県2行:第一地銀は大分銀行。第二地銀は豊和銀行。
 宮崎県2行:第一地銀は宮崎銀行。第二地銀は宮崎太陽銀行。
 鹿児島県2行:第一地銀は鹿児島銀行(九州FG)。第二地銀は南日本銀行。

 全国の第一地銀は62行。九州の第一地銀は10行(金融グルーブ6行、単独行4行)で、比率は16.1%。全国の第二地銀は27行。九州の第二地銀は7行(金融グループ2行、単独行5行)で、比率は25.9%と高く、今後、経営統合および合併へと急速に舵を切ることが予想される。

(11)沖縄地方 3行(第一地銀2行、第二地銀1行)

 第一地銀は琉球銀行・沖縄銀行の2行。第二地銀は沖縄海邦銀行。

【表1】47都道府県の地方銀行(99行)について
【表1】47都道府県の地方銀行(99行)について
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(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

(中)

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