2024年12月23日( 月 )

【どうなる久留米市】問われる久留米市民、本当に十中氏でいいの? 説明責任から逃げ回る卑劣漢に公職に就く資格はない

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 1月16日告示、23日投開票の久留米市長選。人口約30万人、福岡県第3の都市の顔を選ぶ重要な選挙だが、市民の盛り上がりはいまひとつだ。最大の原因は候補者の「不作」だろう。立候補予定者は新人の5人。そのうち、元久留米市議の原口しんご(新五)氏(61)と、元県議会副議長・十中大雅氏(68)の事実上の一騎打ちとなることは確実で、通常であればどちらがより多くの団体・組織の推薦や支持を受けるかで選挙の大勢が決まってしまう。そうとなれば一般市民が興味を失うのは当然で、このままでは35%を割った前回投票率がさらに落ち込むのは間違いない。

「誰を落とすべきか」~久留米市長選の最大争点

 選挙は、誰を当選させるかと同様に「誰を当選させてはいけないか」を選ぶという意味でも機能させられることを忘れてはならない。

 あえて提言するが、久留米市民は十中大雅氏を当選させるべきではない。以下、理由を述べたい。

態度を二転三転~逃げ回る十中氏

説明責任を放棄して逃げ回る十中元県議に、公職に就く資格はない
説明責任を放棄して逃げ回る十中元県議に、
公職に就く資格はない

    データ・マックスでは昨年12月初旬から1月6日まで、5回にわたって十中事務所に連絡をとり、そのうち4回までは「調整中、改めて連絡する」などの返事を得ていた。ところが6日になって突然、「後援会活動で多忙なため、取材は受けられない」と回答してきた。いわゆる「取材拒否」である。事実、「取材拒否という受け止めで良いのか」との問いかけに、担当者は「それで構わない」と回答している。

 取材を申し込むにあたっては、「久留米市長選で訴える政策や久留米市の課題を聞きたい」と伝えたうえで、何度目かの取材キャンセルの際には「取材を受けないことは久留米市民の選ぶ権利を奪うことにもつながる。ぜひ取材を受けてほしい」とも伝えていた。

 市長選に出馬する以上、どのような市政を目指すのかなどを具体的に語ることは有権者に対する最低限の情報開示であり、それがなくして有権者はそもそも「選択」ができないはずだ。難しいことを聞くわけではない、それなのになぜ十中氏は逃げ回るのか。

突然の副議長職投げ出し~県議会が非難決議

 十中氏が取材拒否を続けた理由は、おおよそ想像がつく。十中氏は取材で以下の事柄について聞かれることを恐れているのだ。

 1つ目は「県議会副議長職の投げ出し事件」。福岡県議会は昨年12月1日の本会議で十中氏の議員辞職を認めたうえで、十中大雅氏に対する「非難決議案」を賛成多数で可決した。決議文では十中氏の不誠実な態度を克明に描写したうえで、正面から非難している。以下は決議文からの抜粋だ。

 「十中大雅副議長は、秋田章二議長はじめ当議会各会派の代表者などに何ら事前の相談も説明もないままに、去る11月16日、突然、久留米市内で記者会見を開き、来年1月に行われる久留米市長選挙に立候補すると表明した。さらに十中副議長の議員ならびに副議長の辞職願は、秋田議長が公務出張で不在であった15日に議会事務局に預けられ、16日には重ねて内容証明付きで郵送されるという異例かつ不誠実なかたちで提出されたものであった。秋田議長がようやく辞職願の内容を確認できたのは公務出張終了後の19日であった(中略)この辞職願には、福岡県議会会議規則(昭和31年9月17日議決)に反する不備があり、記載された辞職理由も副議長という要職に照らし不明確なものであった。」(太字・下線は編集部)

 つまり、なんの説明も相談もないままに突然に辞職願を事務局に預け、さらに内容証明を送りつけるというかたちで副議長職を辞職したというのだ。いまどき、社会経験に乏しい新入社員でもこんな辞め方はすまい。十中氏は政治家として失格であるばかりか社会人として、あるいはオトナとして失格の烙印を押されてしかるべき人間なのだ。十中氏にはこの無責任な行為に対する説明責任があるが、いまだ沈黙を続けたままだ。

“詐欺”資金パーティー疑惑

 十中氏が追及を恐れていることがもう1つある。「政治資金パーティー“詐欺”疑惑」だ。

 昨年6月に副議長に就任した十中氏は、10月5日に福岡市内のホテルで「県議会副議長就任祝賀会」を開催した。このパーティーで十中氏が手にした金は数千万円とみられる。つまりパーティー当日、もっともらしい顔で副議長職の重責について語って金を集めた約1カ月後に、前述の突然の辞任劇をやってみせたのが久留米市長候補・十中大雅氏なのだ。一般人が同様のことをすれば、それは「詐欺師」と呼ばれてもいっさい抗弁できない犯罪同様の所業であり、「政治家だから許される」は通用しない。

十中氏を勝たせてはならない

 十中氏は鳩山二郎・衆院議員の後ろ盾のもとで市内の団体票を固め、推薦を取り付けるなどして自民党の典型的組織選挙を展開、原口氏と横一線状態にある。建設業者などは、対抗馬の原口氏よりも十中氏のほうが仕事を頼みやすい(=口利きしてくれやすい)と露骨に利権を期待する業者も多く、そうした業界団体を中心に十中氏は票を固めているという。

 久留米市民に問いたい。今後もまた、一部の実力者や企業への忖度(そんたく)、利益誘導がはびこる久留米市政が続いて良いのだろうか? 前回久留米市長選の投票率はたったの35%、十中氏の組織票など十分にひっくり返すことのできる数字だ。市民1人ひとりの選択で簡単に、久留米市の未来を変えることができる。

【特別取材班】

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