【3/6】新型コロナ「日英公開シンポ2022」 長崎大学とロンドン大学が主催
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新型コロナ感染症対策で連携する長崎大学と英ロンドン大学主催の「日英公開シンポジウム2022」(3月6日開催)を前に、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の有吉紅也(こうや)教授が1月28日、オンラインで記者会見し、「日本に比べると、感染者数や死者数がはるかに多い英国では社会生活をコロナ禍前に戻そうとしている。政府がどう国民を納得させ、合意形成されていくか。日本のコロナ対策は本当に正しいかも考える機会にしたい」とシンポジウム開催の意義を語った。同シンポは日本医学ジャーナリスト協会西日本支部が共催する。
長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科は2015年の開設以来、グローバルヘルス領域で世界最高峰とされるロンドン大学衛生熱帯医学大学院と連携し、新興感染症などの国際共同研究に取り組む。公開シンポは、文科省の卓越大学院プログラム事業の一環として昨年3月に初めて開催。当時、感染者数が急速に増えた「第1波」直前で感染症の専門家やジャーナリストなど約1,200人が参加した。
今回は3月6日午後5時から、福岡市のエルガーラ多目的ホール、ロンドン、メルボルン、マニラ、仙台市、京都市の6カ所をオンラインで結ぶ。メインの基調講演は、ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院のジョン・エドモンズ教授と東北大学大学院医学系研究科の押谷仁教授。エドモンズ氏は英国版の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボードのメンバー。押谷氏は新型コロナ感染症対策分科会のメンバー。どちらも両国政府のコロナ対策に強い影響力をもつ。
さらにWHO(世界保健機関)の新型コロナ諮問委員ら3人の専門家が講演。最後に基調講演者も入ったラウンドテーブル・ディスカッションを開いて、オミクロン株が猛威を振るう各国の現状や課題、今後の展望を論じる一方で国際提携の方策を探る。この日の会見で有吉氏は、英国(イングランド)では1月27日からテレワーク撤廃、学校や公共区域などでマスク着用の義務を求めないといった制限緩和を進め、3月24日には感染者への自主隔離義務を終了すると紹介。そのうえで「英国政府はワクチン接種のみならず感染者の拡大で国民が集団免疫を獲得したと判断したのだろう。その後、リスクは政府ではなく、個々人で負うということ。日本では考えられないが、公衆衛生対策として許容するか。答えは1つではない」と語った。
会見後の質疑応答では、「日本のコロナ対策は人流抑制とワクチン推奨の繰り返しではないか」という問いに、有吉氏は「ラウンドテーブル・ディスカッションで押谷先生に尋ねる」と回答。また「英国では専門家と政治家の役割分担がはっきりしている。経済を抑えたといって、国民が専門家を恨んだりしない。日本では経済対策をどう考えているかも押谷先生に聞いてみたい」と話した。
公開シンポの参加は無料。定員は先着500人。申し込みは「長崎大学卓越大学院プログラム 日英公開シンポジウム2022」ホームページ、問い合わせと講演者への質問はメールアドレスcontact@iscgf2022.jp(長崎大学卓越大学院プログラム運営事務局)で受け付ける。
【南里 秀之】
■オンラインで結ぶ日英公開シンポジウム2022
現在進行形の新興感染症COVID-19~試される国際社会の連携~<日時>
3月6日(日)
午後5時~午後8時(開場:午後4時30分)
※日本時間<方式>
オンライン配信:定員先着500名<参加費>
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