米メタ社、株価大幅下落~メタバース事業が足かせ?(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏メタバースへの投資増加で損失膨らむ
メタ社の次世代成長エンジンであるメタバース事業は、昨年100億ドルの損失を発生させたが、その損失額は今後さらに膨らむと予想されている。メタバース事業の中核会社であるReality Labsの損失額は19年で45億ドル、20年で66億2,000ドル、21年101億ドルで、年平均50%ずつ急増している状況だ。
メタバースのプラットフォーム構築には、膨大なコストが発生するので、メタ社は、今後さらに厳しい状況に直面するだろうと言われている。一方、良いニュースとしてはメタクエストのコンテンツストアの売上高が着実に伸びていることだ。売上高が10億ドルを上回り、今後も成長が予想されている。
アップルのプライバシー方針変更が影響
アップルは2021年4月、iPhoneのプライバシーに関する変更を導入した。今回アップルがプライバシー保護機能のアップデートを行ったことによって、各アプリが広告目的でユーザーの行動をトラッキングするには、ユーザーの許可を得なければならなくなった。
アップル(Apple)が行ったiPhoneのプライバシー保護強化で、Facebookは、これまでに約100億ドル近くの損害を被ったと報じられた。
アップルはユーザーの同意を求めるポップアップウィンドウをアプリに表示させ、ユーザーが「いいえ」を選択できるようにした。これによってターゲットを絞った広告の配信が制限されることとなり、Facebookの広告事業にも影響が出たわけだ。
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メタバースブームのなか、注目集まるVRデバイス(前)これまで同社の広告の売上高は、ターゲットを絞った広告が全体売上高の98%を占めていただけに、今回のアップルによるプライバシーポリシー変更は同社のビジネスの根幹を揺るがしかねない。メタ社のCFO(最高財務責任者) David Wehnerは「アップルのプライバシー方針転換は第4四半期の広告収入にも大きなダメージとなった。今年もその広告収入への影響は100億ドルを上回ることが予想される」と語った。また、今年の第1四半期の業績予想もそれほど明るくない。
今後の展望と対応策は
上記でみてきたようにメタ社は今まで売上高のほとんどを占めていた広告事業に影響が出たのを新たな事業でカバーするため、メタバース事業へと方向転換した。しかし、プラットフォーム事業は5年以上の先行投資が必要で、短期的にはそれに見合う収益が確保できないのが現状である。先行投資を賄うくらいの収益を既存のビジネスであげない限り、将来のビジネスへの投資を続行するのは難しい。また、いくつもの課題が同時多発的に発生しており、同社の道のりは険しい。今回の株価下落はメタ社に対する市場の懸念のあらわれではないだろうか。今後、メタ社がどのような対応をしていくのかについて注目が集まる。
(了)
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